高賀六社

 霊亀年間(715-717)に夜な夜な怪しい光が出て当地の方向に飛んでいくのを、都の人々が目撃し驚いた。そこで高賀山の麓に神壇を飾ったところ、この光が出現しなくなった。これが高賀山本神宮の始まりである。その後、牛に似た妖怪が住みつき、村人に被害を加えていたので、承平三年(933)に天皇の勅命を受けた藤原高光がこれを退治し、高賀山麓に神々を祀ったという。また、天暦年間(947-956)にも妖怪が出没し、再び藤原高光が退治した。この時、高賀神社、本宮神社、那比神宮神社、星宮神社、滝神社、金峰神社六社が祀られた。
高賀神社由緒書より。

これらの神社は、中世初期から近世にわたって、高賀権現の名のもとに総括された社団が設立され、仏教道場として繁栄していたと伝えられている。また、近世中期からは「高賀山六社めぐり」という信仰集団が形成され、広い地域にわたって庶民の敬崇を受けたのである。
「岐阜県史、通史編、中世」より。

 名 称  住 所 御 祭 神
星宮神社 郡上市八幡町高砂 虚空蔵菩薩
那比新宮神社 郡上市八幡町那比 虚空蔵菩薩
本宮神社 郡上市八幡町那比 不明
高賀神社 関市洞戸高賀 天之御中主尊
滝神社 美濃市乙狩 不明
金峰神社 美濃市片知 不明