乙宮社

小城市牛津町牛津(平成23年11月5日)

東経130度12分27.37秒、北緯33度14分44.93秒に鎮座。

 この神社は牛津駅の東約350m、長崎本線の線路すぐ南に鎮座しています。
 周囲には大型商業施設があり住宅密集地域の中に鎮座していますが、神社は豊かな森の中、クリーク(用水路)に囲まれてとても静かな環境にあります。道路から神門までは凡そ60m、二基の鳥居と奇才・平川伊三の狛犬が見られます。クリークに架かる神橋を渡ると、透かし塀と落ち着いた神門が建立され、境内に足を踏み入れると周囲の木々が余計に清々しさを感じさせてくれます。その境内左右には境内社が祀られ、参道奥には安政5年生まれの岩狛さんが護る、唐破風付きの立派な拝殿と、流造の本殿が建立されています。
 三女神を祀るに相応しい、綺麗で清々しい神社でした。

 御祭神:多岐里比女命、多岐都姫命、市杵島姫命、大鷦鷯命(仁徳天皇)
 祭礼日:2月17日・祈念祭、4月13日・春祭、10月15日・秋祭、11月23日・新嘗祭
 境内社:12社(生日八幡宮、稲荷社等)
 由緒:二条天皇の永萬元年(1165)鎮西八郎為朝下向の際、若宮大明神を勧請す。当時牛津町は海津と称せしに大雄黒髪山大蛇退治の砌祈願成就の報■祭を行い養父郡牛津と改称せり
 その後、文治3年(1187)肥前国上松浦郡大川郷川上大明神の末■■女神三柱を枚瀬某奉斎乙宮大明神と称す
 小城藩主の崇敬浅からず社殿造営等を為し祭祀料を奉納せり
 明治4年村社に列せられその折乙宮社と改称す
女神三神は宗像神社の御祭神にして国民道の規範交通の神として信仰が厚い。現社殿は昭和11年改築。
(下記境内案内から転載しましたが、一部読み取りにくい部分があり、誤載の可能性があります。)

社頭
一の台輪鳥居 鳥居に掛かる額
注連柱
参道の様子
参道途中にいる昭和15年生まれの狛犬
阿は玉取で、阿吽共に肘まで台座につけた構えで、動きよりも安定性を感じる狛犬です。獅子頭のような顔立ちに、筋肉質で力強い身体、深く彫られた鬣 や尾が、装飾的で華やかさを感じさせます。この地域の狛犬としては特異な姿をしており、この石工さんの作品は小城市・須賀神社七星宮烏森稲荷神社、佐賀市・男女神社に見られます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・平川伊三 紀元2600年・昭和15年(1940)建立)
参道途中に立つ二の台輪鳥居 鳥居に掛かる額
境内近くの参道の様子
神社の周囲を囲むクリーク(用水路)に掛かる神橋
神門
境内の様子
拝殿前、安政5年生まれの岩狛さん
彫りが深く、やや異国的な風貌で、特に鬣、尾の毛筋が整っています。隙っ歯の鋸歯と放射状に並んだ顎髭が面白いですね。阿は前面の蘇鉄に遮られて前面からの撮影が不可能で、背面と後部からしか撮影できませんでした。
狛犬の拡大写真はこちらで
(安政5年(1858)戊午6月吉日建立)
拝殿
拝殿内の様子
本殿
境内社・稲荷社
境内社・生日八幡宮 宝物殿?