宇佐神宮上宮

 宇佐神宮上宮への参道入口に建つ八幡鳥居を潜ると、イチイガシの森で国指定天然記念物・宇佐神宮社叢と呼ばれる鬱蒼とした杜の中、上りの石段が続く参道へと変わります。
 境内入口となる県指定有形文化財・西大門の前方には木製の県指定有形文化財・宇佐鳥居が建ち、西大門から境内にはいるとすぐ左側には神井、それに続き檜皮葺の西回廊角に、ご神木・楠の木に宿る八王子神を祀る八子(やこ)神社が見えてきます。八子(やこ)神社を曲がるといよいよ天下に名高い県有形文化財・南中楼門と国宝の三本殿が拝見できます。
 本殿は八幡造と呼ばれる特殊な建築様式で、国宝に指定されています。八幡造は一般的な木造建築では、雨漏れなどの心配からあまり行われない切妻屋根が前後に連なるという建築様式で、前殿と奥殿とで、昼と夜、神さまが移動するという独特の造りとなっているのだそうですが、残念ながら余り良くは拝見できませんでした。
 私がじっくりと本殿を眺めている間に、夫は100段の石段を降り南大門から外へ出たそうですが、門前には御食川が流れ「長閑な田舎道といった風情で、とても良い景色だったよ。」と申しております。
 さて、そうこうしているうちに時は過ぎゆき、Pm5:30を過ぎた頃より雷鳴が轟き、空模様が怪しくなってきました。急いで下宮へと向かいます。

左・上宮、右・下宮への入口
上宮への参道入口に建つ八幡鳥居 上宮への参道
県指定有形文化財・宇佐鳥居と西大門
西大門前のこの木造鳥居は宇佐鳥居(又は八幡鳥居)と称し、大鳥居をはじめ他の鳥居はすべてこれと同形式です。この鳥居は宇佐古来の形式をもつ鳥居として有名で、額束はなく、台輪を柱上に置く、宇佐鳥居の規格となるものです。
県指定有形文化財・西大門
西大門は文禄の頃(1592〜)改築されたといわれ、以来この桃山風の華麗な構造となっています。
 屋根は切妻及び向唐破風造りで桧皮葺。雅やかで華麗な造りは、国宝の本殿、勅使門などと共に宇佐神宮の景観を象徴する建物となっています。
西大門から境内にはいると
すぐ左側にある神井
西大門から境内にはいると
すぐに目に付く檜皮葺の西回廊と西中門
西回廊角に鎮座する境内社:八子(やこ)神社(八王子神、祭典日・12月31日)
社殿の構えはなく、西回廊の西端玉垣内のご神木・楠の木に鎮り座す。
県有形文化財・南中楼門(二之御殿・善神王神社)と一之御殿(左)、三之御殿(右)拝所
神宮内郭の南正門。入母屋造桧皮葺の楼門で勅使門といわれ、通常は開かずの門です。山口県に多い楼拝殿造りと平面や意匠に類似点があります。寛保3年(1743)に再建され、昭和16年再修理されています。
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一之御殿拝所・西回廊
国宝・一之御殿(八幡大神)
末社:春日神社
(天児屋根命 八幡大神の守護神 、祭典日・3月13日)
一之御殿・八幡大神の脇殿です。
末社:県指定有形文化財・北辰神社
(天御中主神 高皇産霊神 神皇産霊神 本殿の地主神、祭典日・6月17日)
二之御殿・比売大神の脇殿です。
県有形文化財・南中楼門
善神王神社(高良大明神、阿蘇大明神)
申殿と国宝・二之御殿(比売大神)
三之御殿拝所・東回廊
国宝・三之御殿(神功皇后)
摂社:住吉神社、相殿:末社・平野神社
(表筒男命 中筒男命 底筒男命 海上交通・大漁の神様、祭典日・6月30日)
弘仁14年(823)三之御殿の脇に奉斎された、三之御殿・神功皇后の脇殿です。
南大門に下りる階段左の回廊に設けられた
「宇佐神宮奥宮・大元神社遥拝所」
南大門に下りる100段の石段 南大門境内側
南大門から境内を見上げる 南大門の外は御食川の流れを望む一般道です。
境内から見る西大門

下宮から頓宮へ