八幡宮

玉野市八浜町波知(平成21年8月22日)

東経133度57分47.03秒、北緯34度32分57.93秒に鎮座。

 この神社は波知公民館北にある溜池西端が参道入口となり、そこから約100mほど北東に神社は鎮座しています。車は公民館までしか入れず、あとは徒歩での参拝となりますが、参道から境内まで含めてとても良い環境にあり、景観的にはとても素晴らしいのですが、蚊のような虫の大群に迫られて、耳元ではブンブンと五月蠅いし、息をすると鼻の中まで入るような状態で、大変閉口したことが記憶に残っています。夏、山がちの神社に参拝するとこれが嫌ですね〜。
 溜池からは極緩い坂道が続き、参道途中の鳥居を過ぎると間もなく石段参道となります。石段参道途中には文政13年生まれの狛犬がいますが、この狛犬の写真を撮るのが一苦労。レンズの前にも虫が飛び回り、片手で虫を追い払いながらの撮影となりました。境内に出ると今までの鬱蒼とした森が一変し、広々と明るい境内には夏の陽が燦々と降り注ぎ、その奥に小さな社殿が建っています。社殿右側には境内社も二社祀られていますが、参道や境内の広さとは似つかわしくない社殿の雰囲気に疑問を感じていました。
 その疑問は、家に帰り八浜八幡宮を調べていたときに氷解しましたが、何とこの社の社殿は明治42年に八浜八幡宮の摂社である快神社社殿として移転されていたのでした。
 この社に案内は無く、八浜八幡宮の略記を見ての推測ですが、明治39年に政府の神社整理「一村一社制」によりこの社は八浜八幡宮に合祀され、その際由緒有る「快神社の社殿が荒廃していたため、波知の八幡宮の建物が移転改築(八浜八幡宮略記)」され、その後、何時の頃かこの地に復座されはしましたが、社殿は戻して貰えず、現在のような極小さな社殿が建立された…のではないでしょうか? 因みに快神社の社殿は現在市指定文化財になるほど立派な建築物です。

溜池西端の参道入口
参道の様子
参道途中に建つ明神鳥居
境内手前の石段参道
石段参道途中にいる文政13年生まれの狛犬
ぺたんとした平顔で、家の娘は「スフィンクスのような顔つきね。」と言っています。アーモンドアイに小鼻が広がる大きな鼻、耳元まで裂けた大きな口蓋など、ユニークな顔つきの狛犬です。尾は天狗の葉団扇のような浪速型で、風に吹かれているような鬣は浅い彫りです。この辺りでは見かけない狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文政13年(1830)建立)
境内の様子
拝殿
本殿
境内社 野辺に置かれた仏様
神社参道入口脇にある溜池