由加神社本宮

南参道、田の口港の鳥居と狛犬

倉敷市児島田の口5(平成21年8月21日)

東経133度51分0.77秒、北緯34度28分3.33秒に鎮座。

 この鳥居は430号線の田の口港に面して建立されています。
 明治初期まで由加山・瑜伽大権現と讃岐国・金比羅大権現(現金刀比羅宮)を詣でる両参りが庶民の間で流行し、大変賑わったそうです。
 ここ田の口港は金刀比羅宮(香川県琴平町)からの船の玄関口で、参拝者はここから瑜伽大権現へと約7kmの道のりを歩いたそうで、現在は静かな漁港の佇まいを見せる田ノ口地区も、由加山の門前町の様相を呈していたそうです。
 ここの狛犬は由加神社本宮に向かっていると見ると阿吽の位置が反対になります。今まで見てきた備前焼宮獅子は何処も正位置に置かれていましたから、遥か瀬戸内の彼方・金比羅大権現に向けて置かれたと考えるべきなのでしょうか。両神鳥居のようにこちらから金比羅詣でをする参拝者を、送り出す意味を持っていたのかもしれません。
 海に突き出た突堤には常夜灯や灯籠も建立され、往時の海上交通の頻繁さを物語る証と思われ、両参りをする人々の姿を想像して一人感慨にふけっておりました。

田の口港に建つ大鳥居
塞の神でしょうか?大鳥居の奥にひっそりと祀られていました。
大鳥居東脇に発つ「港だんじり保存会」会館
明治7年建立の備前焼宮獅子
阿吽の位置が反対で、破損した部分がありますが、綺麗に補修されています。
(明治7年(1874)11月建立)
鳥居から見る狛犬と田の口港
沖には竪場島、瀬戸内を挟んで四国までもが一望できます。

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