湯殿山神社

鶴岡市田麦俣六十里山7(平成20年5月4日)

東経139度59分20.82秒、北緯38度32分22.28秒に鎮座。

(湯殿山神社公式サイトはこちらで)

 湯殿山神社は112号線(月山花笠ライン)から、湯殿山有料道路に入り、終点・仙人沢に入口があります。
湯殿山は月山南西山服に連なるなだらかな稜線を持つ山(標高1504m)で、その北側中腹・梵字川の峡谷中に、出羽三山の奥の院とされる湯殿山神社が鎮座しているのです。近年まで数百年来の姿のままでしたが、近年お沢参拝口に朱塗りの神橋が架橋され、改修されたゆるやかな参道が出来、参拝バスも運行されています。

 御祭神:大山祗神、大国主神、少彦名神
 例祭日:6月1日・湯殿山神社本宮開山祭、8月15日・湯殿山神社本宮祭、8月26日〜9月1日・秋の峰入り、10月10日・湯殿山一山万霊供養祭、11月1日・湯殿山神社本宮閉山祭
 由緒:古来、熊野・白山・金峰・英彦山などと並んで修経道の聖地とされた羽黒山・月山・湯殿山を合わせて出羽三山といい、それぞれの山頂にある神社を総称して出羽三山神社といいます。
 湯殿山は修験道の霊地であり、修行した修験者が仏の境地に入る場所とされ、「語るなかれ」「聞くなかれ」と戒められた清浄神秘の世界です。
 三山が仏道修行であった時代、羽黒山は観音、月山は弥陀、湯殿山は大日を各本地としていたことから、羽黒修験により「極意三関三渡」という事が説かれ、まず羽黒山で入峰修行し、月山に登り艱難に堪え、諸の仏典念誦の功徳で諸の迫害に打ち勝って湯殿山に下り即身成佛します。生身の人間が生きながら、大円鏡智に徹して、仏になる目的を遂げることの出来るお山ですから、湯殿山は俗世でないという意味で、修験の聖地であり出羽三山の奥宮とされ、古来人工を施した御社や、寺院、道場を建てるべきでないという思想から社殿を設けてありません。清浄な霊地の故に古くは、装束場にて新しい草鞋に履き替え、お詣りしましたが、現在では入口で履き物を脱ぎ、裸足になり御祓いを受けてからでないとお詣りは出来ません。
 開祖は出羽三山と同じく蜂子皇子(崇峻天皇の第三皇子)別名を能除仙であると伝わっています。出羽三山は真言系であしたが、江戸初期の天宥上人は天台宗に切り替えを図りました。出羽山、月山は切り替わったのですが、ここ湯殿山は抵抗し、高野山の真言宗を継続しています。

「湯殿山のご由来」「湯殿山案内図」はこちらで

湯殿山有料道路から遙かに見える湯殿山神社の大鳥居
まだ周囲の山々に残雪の残る中、湯殿山神社に近づくにつれ鳥居の大きさが実感できます。
湯殿山神社入口
大きな朱の両部鳥居が建っています。
社号標
「出羽三山霊場 
湯殿山神社本宮」
二匹の竜頭が護るお手水 仙人沢を通して向こうに見える小山
湯殿山参籠所前に建つ「一世行人即身佛修行の地」碑
大鳥居を潜るとすぐ
右手に玉姫稲荷神社入口があります。
玉姫稲荷神社の一の鳥居
玉姫稲荷神社参道と建ち並ぶ稲荷鳥居
仙人沢の霊域に於いて、即身成仏の修行に挺身された鉄門海上人が守り神として帰依され、その御守護を得て成仏されたとのいわれから湯殿大神に願掛けする人は、先ず玉姫稲荷にお参りし、その霊験におすがりし、そのおたすけを頂いて本願を達成するという習わしがありました。
玉姫稲荷神社社殿 雪の中に佇むお地蔵さん
ここからが 「出羽三山霊場 湯殿山神社本宮」への参道となります。
前回(14年前)は梵字川沿いの徒歩道を、19社の境内社を巡りつつ本宮まで歩いたのですが、今回、徒歩道は深い雪の中…。
まだ早朝でバスも運行していません。参拝バスの通る車道を歩くことにしました。
「剣の権現 剣神社」碑 「仙人権現 天神社」碑
「薬師如来 薬師神社」碑 「薬師神社」碑
「出羽三山霊場 湯殿山神社本宮」
への参拝バス道
「常世久那戸姫神社」碑
参拝バス道脇に咲く蕗の薹、リュウキンカ?
参拝バス道に架かる、朱の欄干が映える神橋
梵字川はまだ雪の中、その雪塊の下を激流が流れていました。
参拝バス道脇を雪解けの水が滝となって流れ出ていました。
「梵天帝釈両部の
大日大霊権現 産霊神社」碑
「血の池権現 丹生水上神社」碑
「血の池権現 丹生水上神社」
血の池とお地蔵様
参拝バス道脇の水芭蕉、土筆
社号標「湯殿山本宮」碑
写真はこれでお終いです。ここから先は霊地につき撮影禁止。

参拝をするにはまず授与所でお守りと人形(ひとがた)をいただき、御祓いを受けた後人形に身体の穢れを移して水に流します。
裸足で階段を下りると途中から御神体が見えます。御神体は温泉の湧き出る巨岩で、輝石安山岩が混じる泥流から湧出する湯滝と沈澱物により、全体が黄褐色に変色しています。一面の雪景色の中、ご神体と境内は地熱により雪もなく凍ることもなく、しっかりと見えます。
正面の鏡に参拝後、巨岩の左側から登っていくと岩の上を温泉が流れていて、冷えた裸足に暖かいお湯がとても気持ちよく感じます。 背後を進むと行き止まりには、いくつかの石碑があり、その向うには滝が見えます。
境内には授与所の建物や左手奥には境内社がありますが、自然崇拝の原形を今も大事に護っているため本宮の社殿はありません。
湯殿山有料道路終点の山荘に飾ってあった「出羽路 庄内方言」
面白いけれど全然分かりませんでした。