白鬚神社

鶴岡市山田境興屋35(平成20年5月3日)

東経139度47分4.59秒、北緯38度44分16.97秒に鎮座。

 この神社は山形自動車道・鶴岡IC出口の北西約1.5kmに鎮座しています。
 遠くから杉を中心とした鎮守の杜が良く見え、入口の石製両部鳥居、参道の二の鳥居を潜ると、参道脇に人の顔をした大きな石の塊が見えてきます。何と是が狛犬で「はじめ」の範疇に入るのでしょうか? とにかく変わっています。その奥には「狛鶏」。白鬚神社の御祭神は、猿田彦命と天宇受売命なので、「天岩戸隠れ」に関係した「常世の長鳴鳥」として奉納されたものなのでしょうか?
 また、拝殿入り口には千鈴が盛大に垂れていましたが、東北地方全般で付けられている物だとは知りませんでした。拝殿の木鼻、挙鼻も隆盛期の江戸流れ狛犬を見ているようで、感動ものです。

 この社の案内は無く、御祭神は猿田彦命と天宇受売命ですが、勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。

神社遠景
社号標
「村社 白鬚神社」
神社入口と石の両部鳥居
両部鳥居に架かる社額
「白鬚大神」
境内の二の台輪鳥居
参道にいる一風変わった年代不明の狛犬
阿吽の位置が反対、垂れ耳で、口蓋が割れてはいるものの平面的な可愛い人面顔をしています。鬣は縦ロールというよりも中世のヨーロッパ貴族を彷彿とさせ、尾は仙台でよく見かけたものと同じで、三本の筋が入ってはいますが分かれてはいず、背中に垂直に張り付いています。何といっても一番の特徴は胴体と足の造りで、前足と後ろ足が線書きに近く浅く彫られ、原石をそのまま残したような円錐形の胴体前方に4本が集中して真っ直ぐに彫られています。私達が見てきた狛犬の中でも、もっとも個性的な狛犬…のNo10には入るのではないでしょうか?私達はこの狛犬をその土地柄(山形県には作並系・蔵王高湯系・肘折系という伝統こけしの産地があります。)も考慮して「こけし狛犬」と命名して楽しんでいます。この狛犬も一生忘れられない一対…となりそうです。
狛犬の拡大写真はこちらで
明治4年(1871)生まれの狛鶏
狛鶏というのかどうか分かりませんが、左はメスの鶏、右はオスの鶏です。
狛鶏の拡大写真はこちらで
(明治4年(1871)3月建立)
拝殿
拝殿入り口に盛大に垂れている千鈴 拝殿内の様子
拝殿の挙鼻・狛犬
美形で均整のとれた体つきをした、隆盛期の江戸流れ狛犬を彷彿とさせる、躍動的な出来の良い狛犬です。
拝殿の木鼻・狛犬
品の良い顔立ち、力強い前足、流れる鬣の様子、これまた素晴らしい出来映えの狛犬です。
本殿覆い屋 庚申塔