粟嶋神社

米子市彦名町(平成17年11月23日)

 この神社は米子駅の北西約4.5km、47号線で彦名町に入ると左手に案内板があり、左折するとすぐ入り口で、山頂南側は中海の米子水鳥公園に面して鎮座しています。
 由緒によると御祭神は少彦名命、大己貴命、神功皇后で、創建は不詳のようですが、古代より神奈備として信仰され、神功皇后、後醍醐天皇祈願の伝承、尼子氏の寄進、代々の米子城主の崇敬が記録に残っているようです。御祭神の小彦名命は、神代の昔、大己貴命(大国主命)と共にこの国を開き、人々に医療の法を教え、まじないの術を授け、万病よりお救いになった神ですが、伯耆風土記によると、粟の穂にはじかれて小彦名命が常世の国に渡られたので、ここを粟嶋と名付けたとあります。昔は島でしたが、江戸時代の中頃に陸続きになったそうです。
 入り口を入り、参道を少し歩くと187段の石段登りとなり、その山頂部分が境内となっています。神の宿る森として永い間保護されてきた粟嶋の森は、多くの原生林が茂っており、植物の分布はこの地方では珍しく多種にわたっていて、鳥取県の天然記念物に、又、米子市の名勝に指定されています。登りはきついものがありますが、豊かな社叢と静かで深遠たる境内、眼下の中海と米子水鳥公園の幽幻な景色、伝承と歴史を肌で感じられる雰囲気の神社でした。

神社入り口 社号標
樹叢豊かな粟嶋の森 境内への長い階段
階段下の出雲構え獅子。
この子達は鼻孔をふくらまして、かなり鋭く厳しい顔で、身を乗り出して今にも飛びかからんと威嚇をしています。
神社を守る身としては当然ですが、少し恐すぎるかも…。
(昭和11年12月吉日建立)
境内社・荒神社入り口 荒神社の幟旗
境内社・荒神社拝殿 境内社・荒神社本殿
この神社では灯籠にも浮き彫りの出雲構え獅子が。
随神門 境内の様子
拝殿 本殿
境内の出雲構え獅子。階段下の子達と同年齢なのに阿の顔は殆どありません。
(昭和11年11月建立)
境内南側から見た中海の米子水鳥公園。今まさに夕日が雲間に沈もうとしています。
一匹しかいない狐さんは台座から落ちていました。 境内社・豊受宮
明治生まれの出雲丹後狛犬。相当苔むしてはいますが、未だ健在です。
(明治28年10月建立)
神輿倉とその内部の様子
難病苦難の守り神・お岩さん。
境内右奥に小さな岩を御神体として祀っているのがお岩さんです。
ここは、御祭神の小彦名命が、粟嶋に舟で到着され、
最初に上陸された場所で、極めて霊験あらたかな聖地だそうです。
ここで一生懸命祈願して、難病苦難を救われた崇敬者が多い、と案内にありました。
小さな岩を御神体とした社殿 こんなに可愛い狛犬が守っています。

八百比丘尼の伝説が伝わる「静の石屋」 「静の石屋」前の中海・米子水鳥公園