都牟自(つむじ)神社

出雲市斐川町福富133番(平成24年8月31日)

東経132度50分10.92秒、北緯35度24分38.00秒に鎮座。

 この神社は直江駅の北東約2.5kmに鎮座しています。161号線から神社を目指して北に入ると、水田や住宅の間に大きな森と鳥居が目に入ります。入口には社号標と狛犬、鳥居と由緒碑が建立されており、左には駐車場も完備しています。参道を進んでいくと大きな森の手前に、天保12年生まれの出雲構え獅子が居ましたが、このページを作成するにあたり、この社を検索していたら、現在は新しい狛犬と交換され廃棄された模様です。森の中に入って行くと参道両脇に隨神社
が祀られ、中に随神さんと綺麗に着色された狛犬が鎮座していました。
 境内入口には灯籠が二基建立されており、正面に拝殿。拝殿前では出雲構え獅子と蜀台の上に吽一体だけの小型構え獅子が頑張っています。拝殿後ろには大きな流造の本殿、周囲には境内社が数社祀られています。北東方向に作られている裏参道入口には鳥居と新しく阿は子取り、吽は右前脚に玉を乗せているという変わり種の出雲狛犬が居ますが、前に此処にいた先代さんで、斐川町最古級の玉乗せ狛犬は、ひっそりと荒神・水神をお護りしていました。
 狛犬の数の多さにも感激でしたが、神社の佇まいや整備・清掃など素晴らしい管理の仕方にも感銘を受けた、記憶に残る神社でした。

 御祭神:薦枕志都沼値命、合殿:(八幡宮)誉田別命、足仲彦命、息長足姫命、竹内宿弥命、(稚日女神社)大日霊貴尊
 祭礼日:例祭日・10月15日、稚日女神社例祭日・9月29日
 境内社:隨神社、大年神社、大船神社、稲荷神社、塞神之社、荒神 水神
 由緒:この郷は出雲風土記(8世紀)に見える漆治郷にして、御祭神はその御名よりして漆治の神霊の意であり、この郷(福富皆美里月中ノ須)の開拓の祖神である。
 八幡宮は16世紀出雲地方を領有した尼子経久が、その氏神月山富田八幡宮の御分霊を勧請した社にして例祭には、出雲郡高瀬城主、米原平内衛綱ェ、楯縫郡城主、多久弾正義敷を代参させしめその神事は厳粛であった。
 明治4年12月郷社に列せられ又昭和50年7月1日島根県神社庁より特別神社に指定される。
 稚日女神社は雲陽誌によれば別名王子権現と見え神社はもと福富内代にあった。大正10年10月1日本社に合祀。


神社遠景
社頭
神社入口
入口にいる平成2年生まれの出雲構え獅子
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(平成2年(1990)5月吉日建立)
入口に立つ明神鳥居 社号標
参道の様子
参道途中にいる天保12年生まれの出雲構え獅子
この後、この狛犬は老朽化により撤去され、居なくなってしまった様です。詳細は「都牟自神社の引退唐獅子(狛犬)」「都牟自神社の新しい唐獅子(狛犬)」でどうぞ。
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(天保12年(1841)辛丑2月建立)
境内入口
向かって左側の境内社:隨神社 向かって右側の境内社:隨神社
左右の隨神社内にいる綺麗な彩色の狛犬
(小さなガラス格子の隙間から撮影したので、全体が写りきれず、写真を合成してあります。)
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境内の様子
拝殿前にいる出雲構え獅子
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拝殿前、蜀台の上にいる小型の構え獅子、吽一体だけです。
小さいけれど、精悍な顔つきで、姿も整った、非常に出来の良い狛犬です。
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千鳥破風付き入母屋造りの拝殿
拝殿内の様子
流造の本殿

境内社:大年神社
境内社:大船神社
境内社:稲荷神社
社日 境内社:塞神之社
境内社:荒神 水神
荒神 水神を護る出雲狛犬
サイト「狛犬::四方山話」によると、この狛犬は 元、裏参道入口にいた様です。他の神社から合祀され移された狛犬で、建立年代は寛政末から享和(1800年前後)と考えられる、斐川町では最古級の来待石製狛犬だそうです。阿吽の位置が反対で、阿は子取り、吽は玉取で、尚かつ、右前脚に玉を乗せているという変わり種。全国的に見ても余り例を見ない珍しい狛犬なので、裏参道入口に新しい狛犬を設置したときに廃棄しないで、この様に補修して低い位置に建立し直していただいたのは、狛犬ファンとしては唯々感謝!!
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静和養氣霊~之碑
静和養氣霊~之碑を護る出雲構え獅子
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閑かな佇まいの鎮守の杜

神社北東にある裏参道入口
裏参道入口にいる平成20年生まれの出雲狛犬
未だ生まれたてですが、現在荒神・水神を護っている、斐川町では最古級の出雲狛犬の姿を踏襲しており、阿は子取り、吽は右前脚に玉を乗せているという変わり種です。流石出雲の地、こんなに素敵な狛犬が彫れる石工さんが、未だご健在なのですね〜。
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(平成20年(2008)3月吉日建立)