内砥川八幡神社(上宮)

小城市牛津町上砥川内砥川695-1(平成23年8月7日)

東経130度10分24.03秒、北緯33度13分45.79秒に鎮座。

 この神社は砥川小学校の西南西約1kmに鎮座しています。
 参道入口は源五郎溜池と新堤溜池の間の源五郎第一揚水機場脇にあり、ここに立つ一の肥前鳥居を潜ると参道は源五郎溜池脇を約100m程西進し、神社入り口に立つ二の肥前鳥居へと行き着きます。石段参道を上がると如何にも古式然とした三の肥前鳥居が立ち、大樹の生い茂った鎮守の杜の中に恐竜型の岩狛に護られた大きく開放的な入母屋造りの拝殿と三間社流造の本殿が建立されています。
 ここ砥川は、江戸時代にその名を轟かせていた佐賀県の三石工集団の中でも、一番古くから活躍していた砥川石工が居を構えていた土地柄からか、この社には多数の肥前狛犬がいてその数の多さ、個性的風貌にビックリしました。
 周辺環境、文化財に指定されている三基の肥前鳥居、鎮守の杜、社殿、肥前狛犬など、どれをとってもとても魅力的な神社でした。

 御祭神:応神天皇、比売神、神功皇后
 祭礼日:10月19日(砥川くんち)
 境内社:天照皇太神宮、稲荷社等
 由緒:南北朝から室町期にかけて肥前に勢力を誇った千葉氏が、鶴岡八幡宮の分霊を勧請し創建したのが由来とされています。牛津町の三所八幡宮の上宮ですが、境内に詳しい案内がなく勧請年月・縁起・沿革等については不明です。

参道入口
菩薩像が肉彫りされている石祠 石柱
市指定重要文化財・寛文2年(1662)建立の一の肥前鳥居
参道の様子
参道南側、水を湛える新堤溜池と池に咲く可憐な睡蓮
社頭
神社入り口に立つ、市指定重要文化財・正保4年(1647)建立の二の肥前鳥居
石段参道と境内入口
境内入口に立つ市指定重要文化財・三の肥前鳥居
肥前鳥居初期の特徴を持ち、天正期(1570年代)の物ではないかと推定されている
境内の様子
拝殿前、安政2年生まれの岩狛さん
全体的に恐竜を見ている様な力強さや威圧感があり、阿は肩を怒らせ岩から身を乗り出した臨戦態勢を取り、反対に吽は岩から飛び降りそうな勢いを感じさせます。岩の模様、鬣、尾等に高い技巧と装飾性を感じます。
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(安政2年(1855)建立)
大きく開放的な入母屋造りの拝殿
三間社流造の本殿
石祠 石碑 稲荷社
太子講組合芳名塔 聖徳太子之祠
天照皇太神宮
天照皇太神宮を護る小さな肥前狛犬さん達
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末社の石祠群
石祠群を護る肥前狛犬達
単純な姿…と思われがちな肥前狛犬ですが、こうして並んでいる姿を見ると実に個性的です。
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石造の馬
昔は人々と共に生活していたお馬さん、表現された優しさに制作者の厚い心が感じられ、和まされます。
推定樹齢380年のご神木・イチイガシ
推定樹齢600年のご神木・大楠
拝殿前に聳えるご神木・大楠