牛尾神社

佐渡市新穂潟上2529(平成19年4月30日)

 この神社は加茂湖の南約500mの牛尾山と呼ばれる鬱蒼とした杉木立の丘陵地に鎮座しています。道路脇の社号標から暫くは平地の参道ですが、その後は杉や竹、自然林の鎮守の杜の中を上がる階段と緩やかな坂の参道となり、境内入口の両部鳥居を潜ると、広々と明るい境内には、向って右側には杉の大樹として県下でも珍しい安産杉が、向って左側に能舞台、正面には至る所に彫刻が施された拝殿が建っています。この拝殿の彫刻は、越後と佐渡の匠たちが明治35年(1902)から5年の歳月ををかけて仕上げた、刳り彫りによる立体的で豪華且つ精緻な芸術性に富んだ彫刻です。又、能舞台は明治32年(1999)に焼失し、同34年に再建されたもので、佐渡の独立した能舞台約30棟の中でも本格的能舞台といわれる三棟の内の一つです。江戸時代には佐和田地区の若一王子神社、真野地区の大膳神社、畑野地区の加茂神社と共に能楽の中心となった国仲四ヶ所御能場の一つでした。

 御祭神:大己貴命、素戔嗚尊、配神:須世理姫命、奇稲田姫命、足名椎命、手名椎命、合祀:菅原道真朝臣、天照皇大神
 例祭日:6月13日(薪能は例祭前週の土・日曜日)
 境内社:天満宮、神明社
 由緒:延暦11年(792)、出雲大社より勧請創建された古社です。もと八王子大明神といい牛頭天王を併せ祀り、地元では「天王さん」と親しまれています。明治6年潟上神社と改め、さらに翌年に現社号に改称しました。明治32年(1999)に社殿を焼失し、同34年に再建しされたのが現社殿です。白式、黒式翁2面、セクロウミヘビミイラ、聖徳太子像(1353)、薬師座像(1405)、天神像(1867)などが神宝とされています。
   由緒・文化財案内の拡大写真はこちらで

社号標と能舞台案内 参道脇の祭祀壇
 
参道に建つ一の鳥居 参道は階段となります
階段途中の真野地区在住の
郷土史家・山本修之助句碑
「朱鷺の棲む、山をかなたに、タ桜」
境内入口の両部鳥居
昭和5年生まれの狛犬
精悍な顔つきで丁寧に造られています
(石工・渡兵 昭和5年(1930)6月建立)
荘重な拝殿
拝殿内の様子

拝殿木鼻の精緻で勇猛な狛犬
明治32年の社殿等の焼失後、再建された拝殿は三方唐破風造りで、そこに施された彫刻は、潟上の関口文蔵等島内外の匠達による豪華で、精緻な造りです。
拝殿屋根妻の鳳凰と波兎?
拝殿正面唐破風下の龍、波、挙鼻は竜虎の戦いが彫られています
拝殿頭貫には親子龍が彫られています
拝殿入り口上、欄間には10匹の親子狛犬が戯れています。
拡大写真は此方で

拝殿の虹梁には波間に魚が彫られています
拝殿左右の扉上には波間に龍が彫られています
拝殿入り口最上部には波、朱鷺?、唐獅子牡丹が彫られています
本殿 県指定文化財の能舞台は、島内の独立能舞台のなかでも本格的なもので、毎年6月12日に薪能が奉納されています。
安産杉
子宝を願う婦人や妊婦は、この大杉を抱えたり樹皮を煎じて飲んだりして子授けや安産を願ったといわれています。樹齢約1,000年、樹高30m、根廻り9.1m、目通り6.15m。一名孕杉と呼ばれる銘木です。
境内社・天満宮
境内社・神明社