上宮天満宮

高槻市天神町1-15-5(平成24年1月4日)

東経135度37分13.87秒、北緯34度51分17.71秒に鎮座。

 この神社は高槻駅の北約700mに鎮座しています。
 西国街道沿いの参道入口に文久2年生まれの狛犬が護る一の鳥居が立ち、そこから参道は北に約150m程続きます。67号線の天神町1信号を渡ると社号標が立ち、石段を上がっていくと二の鳥居。尚も坂道の参道を進むと三柱山門。右に駐車場があり、その手前に元々当地に鎮座していたと見られる式内社・野身神社が、野見宿禰の墳墓とされる小墳丘の上に祀られています。
 そのまま北に参道を進むと、右側に手水舎、祭式殿・社務所、神楽所・御霊屋が、左に神具室、絵馬堂、神輿蔵が配され、正面に大きな割拝殿が建立されています。
 割拝殿を抜けると境内奥の本殿拝所脇には市内最古といわれる出来の良い狛犬が護りを固めており、本殿の拝所も社殿も日本初の竹造りの建築物です。
 又、社殿左右には日吉社、金毘羅社、稲荷社、荒神社、春日社、厳島神社、皇大神宮等の境内社が点在しています。
 当社は全国天神社のうち二番目の古社とされているそうですが、広大な社地に大きな鎮守の杜が形成され、整備清掃が行き届いた境内・社殿など、どれをとっても気持ちの良い参拝が出来る清々しい神社でした。

 御祭神:武日照命、野身宿禰命、菅原道真命
 祭礼日:2月25・26日(天神祭)
 境内社:日吉社、金毘羅社、稲荷社、荒神社、野身神社、春日社、厳島神社、皇大神宮
 由緒:日の神、武日照命の天降って鎮座された、此れの太古の杜、日神山一帯は弥生人の住居跡として銅鐸も出土し、南北に並ぶ四古墳のうち、中央の円墳上には式内古社の野身神社が在る。此地は「日本書記」が古代祭儀としての埴輪や相撲の逸話を記した野身宿禰を千数百年も前から斎き祀ってきた島上郡野身里である。彼の率いる祭祀者一族、土師氏は何百年か後に菅原道真、大江匡房始め平安時代に於ける史学、文芸学者たちを次々に生み出すが、殊に右大臣にまで昇った道真公は、然しその後天皇廃立に関わったとされ九州へ追放される。その死後百年近い頃、正暦四年(九九四)に正一位左大臣の位を遺贈する勅使として菅原為理が太宰府へと赴いた。御霊代など奉じての帰途、芥川を遡り当地の上田部(市役所西)に上陸し、領主近藤氏の城館に宿った。ところがいざ出立となると輿が動かず、これを先祖と共に留まりたい霊意と排察して、里人が日神山上に天満宮本殿を造営し改めて三神を併祭し奉った。実際の創建はこれより五十年も早く、京都北野社鎮座以前であり、全国天神社のうち二番目の古社とされている。
 戦国の天正年間、豊臣秀吉は当社参道「天神馬場」に本陣を置き、明智勢を山崎天王山に討った。その戦勝を感謝して、後に秀吉は社殿を美々しく修造する。
 江戸初期には高槻藩主永井直清が拝殿を設け大鳥居も建立、時の天台座主親王天松院宮筆の神額を奉納した。
 古来、近郷の三島地方はもとより遠く京都、大阪始め北攝能勢や北河内方面の崇敬を集め今に至る。例祭「初天神」は、延々と露天の連なる京阪神きっての民衆的大祭である。





西国街道沿いの参道入口
参道入口に立つ一の大鳥居
大鳥居前にいる文久2年生まれの狛犬
高い台座に乗った浪速狛犬で、洗練された良い造りをしています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文久2年(1862)3月建立)
一般道と共用の参道が、真北に150m程続きます。
社頭
社号標
石段参道上に立つ二の鳥居
坂道の参道の様子
三柱山門
参道右に祀られる境内社:野身神社
元々当地に延喜式神名帳に記載される「野見神社」(現「野身神社」)があり、後になって道真を祀る天満宮が創建されて、野見神社がそれに吸収されたものと見られ、野身神社は、野見宿禰の墳墓とされる小墳丘の上に鎮座しています。
野身神社全景 社号標
野身神社神門 野身神社社殿
参道の様子
ご神木
手水舎 神具室
祭式殿・社務所
絵馬堂
絵馬堂にいる神使い・牛
参道の様子
神楽所・御霊屋
割拝殿
(向かって左・西拝殿、右・東拝殿)
本殿前の境内の様子
本殿拝所脇にいる宝暦9年生まれの狛犬
狛犬に案内が付けられているのは珍しく、それによるとこの狛犬は「上宮型狛犬」と呼ばれる市内最古の狛犬だそうです。緻密で繊細な彫りで、全体のバランスが良く、今まで見てきた大阪の狛犬の中では最高級品かも知れません。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・西田新九郎正義 宝暦9年(1759)11月建立)
竹の本殿全景
平成8年(1996)11月、放火により焼失した本殿は、平成14年(2002)、日本初の竹製の本殿として再建されました。
本殿拝所
神明造りの本殿

本殿左右に祀られる境内社

合社(日吉社・金毘羅社・稲荷社・荒神社)
境内社:日吉社 境内社:金毘羅社
境内社:稲荷社 境内社:荒神社
境内社:春日社
境内社:厳島神社
境内社:皇大神宮
鎮守の杜の様子
本殿の建築材料となった良く手入れされている竹林
絵馬