國司(くにし)神社

総社市新本1975(平成21年8月24日)

東経133度39分39.90秒、北緯34度39分28.84秒に鎮座。

 この神社は備中呉米駅の北約4.5kmに鎮座しています。私達は80号線から新本川を渡り南に約400m突き当たりを左折して80mほどで神社の入口に辿り着きました。
 入口には注連柱が建ち、「岡山県指定重要無形民俗文化財 国司神社の赤米の神饌」案内が立っています。案内には「赤米は、穀粒が赤褐色で細長く、また稲の茎が非常に長いなど、古代の米の特徴を残していると言われており、稲作の起源を知るうえで、大変貴重な資料です。国司神社では、旧暦11月15日の霜月祭りに、この赤米が神饌として供えられ、参拝者には赤米で作った甘酒がふるまわれます。」と書かれていました。
 鳥居を潜り境内に入ると、すぐ右手には霜月祭りに使用されるであろう長床があり、拝殿は突き当たりを右に曲がると正面になります。その後ろの石垣が組まれブロック塀が廻された中に幣殿と本殿が建立されています。境内には祭祀場や境内社も祀られ、静かで落ち着いた雰囲気の綺麗な神社でした。
 尚、新本にはこの社の西約2kmの所に同名社がもう一社鎮座しています。

 御祭神:大國主神
 祭礼日:旧暦1月6日・年始祭、6月18日・田植祭、旧暦11月15日・霜月祭
 境内社:有り
 由緒:通称「国司様(クニシンサマ)」と呼ばれ、霜月祭に赤米の神饌(県指定無形民俗文化財)を供し、湯立て神事(境内に釜を立て湯を沸かし小銭12枚、閏年は13枚と神酒と赤米でその年の豊凶を占う)を行う。
 創建年月は不詳であるが、神社付近は勿論当地方には多数の古墳群があり、条里の遺構が残っていることから、古くから高度な文化の開けた土地であり、その地の氏神であったと思われる。
 また、天皇が即位する年のみに行われる大嘗祭に供えるための神米を作る主基田として10回にわたり卜定された。
 古来から隣接地にある神田や当番の所有田で「赤米」を栽培し、その米を神饌として奉納している。その赤米で春秋の例祭に神酒、甘酒を作り、赤米の飯には萩の箸を添えて参拝者にも振る舞っている。
 春祭り(旧暦1月6日)は甘酒祭りとも呼ばれ、豊作を祈り、豊凶を占う。秋祭り(旧暦11月15日)は霜月祭とも呼ばれ、収穫を祝い感謝する「湯立神事」が行われる。
 赤米の神饌(県指定無形民俗文化財)は言い伝えによると大国主命がこの地方を平定した後、この地に赤米の種をまいたとされている。
 現在新本本庄赤米保存会によって古来からの伝統が守られ、種籾も門外不出である。
 6月の「お田植祭」には、保存会会員と地元の新本小学校5年生が白装束で、田植えを行う。
 本殿脇の稲荷社の裏手には神の使いである「狐」の出口、入口の2穴がある。
(「岡山県神社庁公式サイト」より)

社頭
「岡山県指定重要無形民俗文化財
国司神社の赤米の神饌」案内
境外に祀られている合社
境内入口に建つ明神鳥居 鳥居に架かる額「國司宮」
境内の様子
拝殿
拝殿向拝下彫刻・鳳凰
拝殿目貫彫刻・龍
拝殿木鼻・狛犬と象
本殿
境内社 長床
祭祀場 祭祀場