牛窓神社

瀬戸内市牛窓町牛窓2147(平成21年8月23日)

東経134度10分31.34秒、北緯34度36分57.25秒に鎮座。

 この神社は牛窓海水浴場北の端に表参道入口の一の鳥居が設置されています。そこから神社の境内までは約380m、なだらかな石段の参道が深い森を貫き、嘗ては土地の神霊及び氏の祖先の神霊を祀り、現在は八幡神を主祭神としている東備の鎮守へと誘ってくれるのです。
 表参道入口には立派な社号標と一の鳥居が建ち、なだらかな石段は深い森の中に吸い込まれるように続いています。森を抜けると一旦は明るい広場となり、展望台が設置され、牛窓の海や播磨灘、前島などの眺望が楽しめます。
 招魂社への分岐点まで来ると、神社へはあと140m程の登り、森の中には二の鳥居や随神門が建てられ、最後の石段を上がると紅葉などの木々が清々しい境内となります。多分標高にして120〜130mほどの登りだったと思うのですが、とても海辺とは思えない別天地。山深い静けさに、心落ち着く雰囲気の、すばらしい境内の佇まいです。
 境内奥中央には唐破風付きの大きな拝殿が建ち、8月末までの夏の大祓祭実施中には 神主さんが参拝者一人一人に丁寧なお祓いをしてくださりながら、ご一緒に茅の輪潜りの正しい作法を教えて下さいます。今まで沢山の神社に参拝してきましたが、これほどまでに丁寧な大祓を一般参拝者に施してくださる神主さんは初めてです。心底感服していますと、何とお祓いだけでなく、神社の由緒や旅行先の感想、狛犬にまで話が及び、気さくに本殿前の狛犬を間近で写真撮影する許可までしてくださいました。感謝!! 
 神主さんのお名前は岡崎さん、「名物?神主さんに会わずして牛窓は語れません。」という方までいるほどの有名人で「私の天職は神主です。生まれ変わってもきっと神主になります。」とまでおっしゃる、心底神社と神主というお仕事を愛する方で、願いは「話をすることでお互いの心が豊かになり、楽しい思い出を持って帰ってもらうことができたら、それが一番の喜び。アナタに心の暖まる、ハートウォーミングな一時を是非!!」だそうです。この社への参拝で、神主さんに対するイメージが一変、とても親しみの持てる素晴らしい神主さんに出会えたことが、この旅一番の思い出となりました。
 幣殿と本殿の間には文化4年生まれの浪速狛犬がいて、市指定重要文化財の本殿は三間社入母屋造り唐破風千鳥破風付き檜皮葺きで、重厚且つ華麗な造りの素晴らしい社殿でした。
 又境内周辺には境内社が数社祀られています。

 御祭神:備前牛窓地主神代々祖先神、応神天皇、神功皇后、比賣大神、武内宿禰他数柱の神々
 祭礼日:1月3日・新年祭、5月第2日曜日・春季例祭、7月30日・夏越し大祓祭、10月第4日曜日・秋季例祭、11月15日及びその前後日曜日・秋季例祭
 境内社:祇園神社、稲荷神社、出雲大社遥拝所、皇大神宮・東方諸社遥拝所
 由緒:旧縣社で、通称牛窓八幡宮とも称される。
 原初の頃は、土地の神霊及び氏の祖先の神霊をまつっており、牛窓明神と呼ばれていたが、長和年間、教円大徳によって豊前(大分県)の宇佐八幡宮から応神天皇・神功皇后・武内宿禰命・比賣大神の御神霊をお迎えして牛窓八幡宮となり、明治6年郷社に列せられ牛窓神社と改称した。
 社伝によれば、鎌倉・室町時代の山城国男山八幡宮(石清水八幡宮)の古文書に「牛窓別宮」の名があり、当時牛窓が石清水領であったと共に社格が大変高かったようである。神階は従三位、式外社、備前国古社128社の内の1社にして明治6年郷社に、明治42年神饌幣帛料供進神社に、昭和15年県社に、それぞれに列せられたが、終戦と共に社格は廃止された。
 弘治元年(1555)芸州の乱の時、海賊の焼打ちに遭い、全山を焼失し、社殿、宝物、記録等全てを失った。
 当時、牛窓は内海帆船時代であり、交通運輸の重要港に成長し、藩の政治、住民の経済力の増加を背景に、神社に対する信仰心も高まった。 
 江戸時代、特に寛政、文化の頃から境内を拡大し、社容を整えた。特に本殿は近世の社寺建築の粋を凝らしたもので、牛窓町の重要文化財に指定されている。
 尚、当社の例祭は、毎年10月第4日曜日に行われ、神輿やダンジリの巡幸など港町の風情溢れる祭り絵巻が終日堪能できる。
(「岡山県神社庁公式サイト」より)



社頭
境内から約400m南の牛窓海水浴場に一の鳥居が建立されています。
社号標
「縣社牛窓神社」
参道入口
なだらかな石段が続き参道は深い森の中に吸い込まれるように続いています。
前を行く人達は海水浴客で、素足で神社に向かっているようです。大丈夫でしょうか?
深い森の中の石段参道
参道は亀山公園展望台横を通ります。
展望台からは眼下に牛窓の海が見晴らせました。
参道の様子
招魂社への分岐点で、神社へはあと140m程の登りです。
石段途中に建つ二の鳥居
緑のトンネルの中を石段の参道は未だ続きます。
随神門
境内入口
境内は目の前です。364段の石段登りでかいた汗を拭き拭き、もう一踏ん張り!頑張りました。
境内の様子
境内にいる昭和15年生まれの狛犬
太めでどっしりと落ち着いた感じの狛犬ですが、やや恥ずかしがり屋なのでしょう、モミジの影に隠れています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(皇紀2600年 昭和15年(1940)建立)
唐破風付きの大きな拝殿
7月30日に夏越し大祓祭があり、8月末までの夏の大祓祭実施中は 神主さんがお祓いをしてくださりながら、ご一緒に茅の輪潜りの正しい作法を教えて下さいます。
茅の輪潜りの後、家内安全、旅が無事終わることを祈祷していただき、家庭用に戴いた小さな茅の輪を手にして、こよなく神社を愛する素晴らしい神主・岡崎さんと記念撮影。右の写真は我が家の玄関でしっかりと疫災除けをしていてくれる「浄災祈願」の小茅の輪です。
 
幣殿
幣殿と本殿の間にいる文化4年生まれの浪速狛犬
典型的な浪速タイプで、ドングリ目にお尻に張り付いた葉団扇の様な尾の素朴な感じの狛犬ですが、丁寧な彫りをしています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文化4年(1807)建立)
市指定重要文化財・本殿


境内社 出雲大社遥拝所
境内社:祇園神社
境内社:稲荷神社
皇大神宮・東方諸社遥拝所
御神輿庫
絵馬
神社の入口がある牛窓海水浴場
夏休み中なので大勢の家族連れ海水浴客が、浜辺でのんびりと過ごしていました。