玉名大神宮

玉名市玉名4600(平成24年4月6日)

東経130度34分54秒、北緯32度56分55.94秒に鎮座。

 この神社は菊池川の西、玉名平野北側の永安寺東古墳近くに鎮座しています。周辺は「元玉名」と呼ばれ、玉名の地名の由来である「玉杵名」の地とされています。
 柔らかな日差しの中、入口付近には桜が咲き誇り、銀杏の芽吹きが見られました。「郷社玉名大神宮」と記された社号標を脇に見て台輪鳥居を潜り石段を上がると、昭和11年生まれのやんちゃな狛犬のお出迎えがあり、神門内を覗くと村山眉毛の木製狛犬がいます。境内正面には唐破風付き入母屋造りの拝殿、透かし塀内に流造の本殿が建立されており、境内には丁寧に祀られている境内社が多数見られます。
 豊かな森を持つ、厚い崇敬心が感じられる神社でした。

 御祭神:天照大神、景行天皇、健磐龍神などの阿蘇の四座、玉依姫、菊池則隆夫妻
 祭礼日:秋季大祭・10月第三土曜日、玉名大俵 まつり・11月7日
 境内社:東末社、西末社、栗島神社、打越神社、鹿嶋神社、猿田彦神社、生目神社、瘡締神社、祖霊社
 由緒:玉名大神宮の「家系録」に景行天皇が熊襲(南九州の民)征伐の途中『玉杵名邑(たまなきむら)』に来た時、土蜘蛛津頬(豪族の長)が抵抗しました。景行天皇は天照大神を祀って拝み、お祈りをすると、玉のような小石が落下して土蜘蛛津頬を退治しました。この小石を神の霊として尊び、祀りました。このことから大神宮を遥拝宮ともいいます。
 玉名大神宮の祭神は天照大神と景行天皇ですが、菊池則隆の進出により菊池氏と結びついた阿蘇信仰が玉名に影響して、健磐龍の神などの阿蘇の四座と玉依姫とその両親菊池則隆夫妻が祭神として祀ってあります。
 秋の大祭には、江戸末期頃から伝えられている「玉名神楽」が「子ども神楽」と共に「玉名神楽保存会」によって奉納されます。

社頭
入口に立つ台輪鳥居
社号標「郷社玉名大神宮」 鳥居にかかる額「玉名大神宮」
石段参道
神門前に居る昭和11年生まれの狛犬
阿は口中に玉を含んでいます。大顔でやんちゃそうな若々しい狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・山本萬吉 昭和11年(1936)10月15日建立)
随神門
門内にいる木製狛犬
彩色が少し残る面白い狛犬です。村山眉毛のような盛り上がった眉毛と、首筋に巻き付いたマフラーの様な鬣が面白いですね。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内の様子
唐破風付き入母屋造りの拝殿
拝殿目貫彫刻・龍
拝殿木鼻・狛犬
拝殿内の様子
流造の本殿

境内社:東末社
(玉依姫、菊池則隆、菊池隆定、菊池経隆、菊池能隆)
境内社:西末社
(菊池経頼、菊池経宗、菊池経直、菊池隆直、菊池隆泰、菊池武房、菊池時隆、菊池武時)
境内社:栗島神社
(神宮皇后・婦人病の神)
栗島神社の「厄除鳥居」
境内社:神武天皇遥拝所
(神武天皇)
境内社:祖霊社
(大字玉名の御先祖及び第二次大戦の戦没者)
境内社:瘡締神社
(仲哀天皇・吹出物の神)
境内社:生目神社
(垂任天皇(生目の神)・眼病の神)
境内社:猿田彦神社
(猿田彦神・五穀豊饒の神)
境内社:鹿嶋神社
(武甕樋命・武道・スポーツの神)
境内社:打越神社
(大物主命・牛馬動物守護の神)