岩坂(通称・甑 こしき)神社

菊池郡大津町岩坂157(平成24年4月8日)

東経130度53分23.65秒、北緯32度51分15.91秒に鎮座。

 この神社は白川の南、145号線沿いに鎮座しています。
 低い石垣の上に社地が造られ、境内へ入るには数段の石段を上がります。境内入口には「甑神社」の額を掲げた台輪鳥居と同じく「甑神社」と記された社号標が立っています。鳥居の後ろには整った姿をした狛犬が居り、手水舎は左手に境内社は右奥に配されています。中央奥には結構な彫刻が施されている唐破風付き入母屋造りの拝殿と、風雨除けが施されている流造の本殿が建立されています。
 「甑」と言うのは古代の蒸し器のような物だそうで、阿蘇大明神が自分の領土を見回りしてこの地を訪ねた時きに、叔母神が甑で御飯を炊いて明神に食べさせたという伝承が残っています。又、地名の「岩坂」とは「境」のことで、阿蘇氏の勢力がここまで広がっていたことを示しているのだそうです。(大津町役場のホームページ参照)

 御祭神:岩坂大神、阿蘇十二宮
 祭礼日:不明
 境内社:五霊社、猿田彦神社
 由緒:俗称・甑神社。万治2年(1659)領主中村某の勧請といわれ、昔から地主神と称せられた。
 南郷事蹟考によると、昔阿蘇大神が国土を経営される時、コシキを立て大神を饗応されたので甑大明神と云う様になった。
 甑大明神は阿蘇大神の御伯母であり、当村の産神であると…又、甑大明神は白川の辺にあり、昔、阿蘇家と菊池家の御縁組の時、この川を渡られようとした時に、洪水によって橋が流れてなかったので、船筏を組んで渡られたといわれる。
 それ故、その後、船筏の渡しといわれた。今はその面影も残っていない。
 明治以後、村社に列せられ、後指定村社となる。

社頭
神社入口
入口に立つ台輪鳥居
鳥居に掛かる額「甑神社」 社号標「甑神社」
鳥居後ろにいる大正10年生まれの狛犬
凛々しく整った感じの狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(大正10年(1921)5月吉日建立)
境内の様子
唐破風付き入母屋造りの拝殿
拝殿懸魚唐破風・亀さん
拝殿唐破風下彫刻・龍
拝殿目貫彫刻・鳳凰?
拝殿木鼻・狛犬、牡丹、獏
拝殿長押上彫刻
拝殿内の様子
流造の本殿

境内社:五霊社