五所神社・神明宮

室戸市室戸岬町(平成19年3月30日)

 この神社は室戸岬から55号線で北西に約500m北上すると左手に鎮座しています。
 入口に「弘法大師御修行の地 御厨人窟」の碑があることでも分かる通り、今から1190余年前に弘法大師が阿波の大滝獄から来て、難行苦行を重ねて「虚空蔵求聞持法」を修められ、「三教指帰の悟り」を開かれたと伝えられる由緒ある地です。
 現在では、向かって右が修行に使った洞窟で「神明宮」、左が住居だった洞窟で「五所神社」と呼ばれています。空海は虚空蔵求聞持法を修得するため「御厨人窟」で荒行をしている時、明けの明星が口から入って身体を貫くといった体験をし、それによって悟りを開いたといわれています。
 この修行とは、断食をし、真冬でも薄布一枚で過ごし、海岸や、山岳地を歩きながら、虚空蔵菩薩の真言を50日から100日の間に百万遍唱えるという荒行で、虚空蔵菩薩の化現である明けの明星、朝日そして夕日が見られる場所で虚空蔵菩薩の真言を唱えることが修行の作法だそうです。
 ここ「御厨人窟」から見える外の景色は空と海のみで、まさに「虚空蔵求聞持法」を修めるには最適の地と云えるのでしょう。

「弘法大師御修行の地
御厨人窟」の碑
御厨人窟入口の碑
「三教指帰」の中に、悟りの瞬間を
「谷響きを惜しまず、明星来影す」と、
記してあることが記されています。

向かって左が五所神社(住居用)、右が神明宮(修行用)、入口。

五所神社入口 神明宮入口
弘法大師は修業時代に
現在の五所神社の洞窟から見える
空と紺碧の海に感銘して
「空海」と名乗ったという説があります。
神明宮内部の様子
五所神社社殿 神明宮社殿
五所神社社殿脇の様子 神明宮内のケルン



室戸岬から見えた灯台



室戸岬の海の様子
室戸岬から海を見据える、中岡慎太郎(明治維新の勤王の志士で、
海援隊長の坂本龍馬と共に活躍。
慶応3年(1867)京都河原町の近江屋で刺客にあって死亡。享年30才。)
の銅像。