椙本神社

吾川郡いの町大国町3093(平成23年3月31日)

東経133度25分24.45秒、北緯33度32分47.95秒に鎮座。

 この神社は伊野駅の北西約900m、いの町市街地の北西端、仁淀川左岸近くに鎮座しています。
 玉垣で囲まれた社地の入口には、社号標と鳥居が立ち、明治11年生まれの素晴らしい土佐型狛犬がいます。神橋を渡り、二の鳥居を潜り参道を進むと、左に社務所、右に境内社が祀られ、境内入口前後には二対の優れた土佐型狛犬がいます。
 拝殿は唐破風付きの豪華な社殿で、その後ろに弊殿・本殿が建立されています。本殿左には大きな絵馬殿があり、石垣下には大黒山の真清水が湧き出し、神池に流れ込んでいます。
 また、特別天然記念物のミカドアゲハが好んで食するオガタマの木も境内に聳えています。

 御祭神:大国主命、素盞嗚命、奇稲田姫命
 祭礼日:元旦祭・1月1日、大国祭 春祭り・旧1月22日)、夏祭・旧5月22日、夏越祭 わぬけさま・6月30日、七五三祭・11月15日、秋大祭・11月23日、甲子祭 きのえねの日・年6回
 境内社:秋葉神社、恵美須神社、水神社
 由緒:ご祭神の事績は、寛文6年(1666)の仁淀川洪水で、古記録が流失したため明瞭を欠いていますが、大和の国三輪から神像を奉じて、阿波を経て吉野川を遡り伊予国東川の山中に至り、その後、仁淀川洪水の時に河畔に流着したのを加治屋谷齋き祀ったといわれます。また三輪の国から直接に神像を奉遷したという別伝もあります。
 その後、元慶年間(880)に現在地へまつられるようになりました。
 いのの大黒さまと称されて、古くから信仰を受けていますが、慶長9年山内一豊自筆の文書が現存し、それ以来社殿の造営は、手元普請となり、江戸時代六回の修築が行われました。
 明治15年に一千年祭、昭和57年に一千百年祭が行われました。



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社頭
入口に立つ社号標と台輪鳥居
入口にいる明治11年生まれの土佐型狛犬
阿吽共に片手を石柱の上に乗せています。土佐型の特徴を良く備えた、素晴らしい狛犬だと思います。
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(明治11年(1878)9月吉日建立)
参道の様子
参道途中に立つ二の台輪鳥居
釈迢空(折口信夫)歌碑
いののかみ この川ぐまに よりたまひし 日を かたらへばひとの ひさしさ
参道の様子
参道途中の神橋と神池
神橋を渡った後の参道の様子
参道右側に祀られている境内社三社
左から、秋葉神社、恵美須神社、水神社
境内社:秋葉神社
境内社:恵美須神社 境内社:水神社
高浜虚子句碑
紙を漉く 女もかざす 珊瑚かな
手水舎 ご神木
境内入口
境内入口手前にいる明治11年生まれの土佐型狛犬
阿は太鼓の上に乗り、吽は片手を挙げている、珍しい組み合わせの狛犬です。阿の威嚇の表情がリアルで、とても良い出来の狛犬です。
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(明治11年(1878)9月8日建立)
境内にいる万延元年生まれの土佐型狛犬
穏やかで優しくたおやかな土佐型の典型です。とても良い出来ですが、阿の左前足に傷が付いているのが残念です。この社の狛犬の中では一番の長老格ですが、三対も土佐型の素晴らしい狛犬が居るとは…嬉しい限りです。
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(万延元年(1860)庚申9月吉日建立)
拝殿
弊殿
本殿
絵馬殿
神池とご神木 大黒山の真清水
大杉桜
オガタマの木
絵馬