森戸大明神

三浦郡葉山町堀内1025(平成22年5月3日)

東経139度34分25.18秒、北緯35度16分8.5秒に鎮座。

 この神社は207号線に参道入口があり、境内裏側は「森戸海岸の夕照」として「かながわの景勝50選」に選ばれるほど夕刻の光景は美しいようです。
 参道入口には朱の一の鳥居が立ち、社号標には「森戸神社」と有りますが、公式サイトや由緒書きに「森戸大明神」と有るので、そちらの名称をとりました。境内入口には二の鳥居が立ち、駐車場は有料と書かれていますが、参拝者は20〜30分無料で駐車できました。
 二の鳥居から拝殿間には沢山の境内社が祀られ、拝殿前には明治40年生まれの青山・石勝さんの狛犬がいました。こんな所で石勝さんの狛犬に出会えるとは思ってもいなかったのでビックリ。
 正面からは本殿は全く見えないので裏に回ると、鳥居が立ち、「かながわの名木100選・町指定天然記念物・飛柏槇」への参道が付けられています。途中本殿が良く見える場所がありそこからの撮影が終わってから、更に進むと突き当たり崖下に飛柏槇の雄姿が見られます。その他参道脇には日吉社が祀られ、千貫松や柏槇等の木々も見られます。
 海岸に出ると、岩礁の向こう、沖合には名島や裕次郎灯台、沢山のヨットの帆などが見られ、浜辺では大バーベキュー大会が始まっていました。

 御祭神:大山祗命、事代主命
 祭礼日:毎月1日・月首祭、毎月15日・月次祭、1月1日・歳旦祭、1月14日・左義長神事、2月3日・節分祭、3月3日・桃の節句、春分の日・祈年祭、4月6日・畜霊社例祭、4月8日・おせき稲荷社例祭、5月4日・水天宮例祭、5月5日・端午の節句 尚武まつり、5月15日・熊野神社例大祭、6月15日・日吉神社例大祭、6月16日・大漁祭 潮神楽、6月30日・夏越の大祓、7月7日・七夕祭、7月7日前後の日曜日・須賀神社例大祭、7月13日・総霊社例祭、8月第3日曜日・神明神社例大祭、8月最終日曜日・森山神社例大祭、9月7日・宵宮祭、9月8日・森戸大明神例大祭、11月随時・七五三詣、11月23日・新嘗祭、12月31日・年越の大祓
 境内社:おせき稲荷社、水天宮、総霊社、畜霊社、日吉社、境外摂社:熊野神社、須賀神社、日吉神社
 由緒:今から約840年前の永暦元年(1160年)、平治の乱に敗れ伊豆に流された源頼朝公は、三嶋明神(現在の静岡県・三嶋大社)を深く信仰し源氏の再興を祈願しました。治承4年(1180年)、そのご加護により旗挙げに成功し天下を治めた頼朝公は、鎌倉に拠るとすぐさま信仰する三嶋明神の御分霊を、鎌倉に近いこの葉山の聖地に歓請し、長く謝恩の誠をささげたと伝えられています。
 「吾妻鏡」によれば、歴代将軍自らこの地を訪れ、流鏑馬、笠懸、相撲などの武時を行ったといいます。また、災厄が生じると加持祈祷が行われ、*七瀬祓の霊所としても重要な地であったとされています。
 源氏はもとより鎌倉要人に崇敬され、特に三浦党の祈願所でもありました。
また、北条、足利諸氏の崇敬も篤く、天正19年(1591年)には徳川家康公より社領七石が寄進されました。延宝2年(1674年)に徳川光圀公、明治25年(1892年)には英照皇太后陛下のご参拝を仰ぎました。
 現在も葉山の総鎮守として、町内はもとより近郷近在より多くの参拝者が訪れています。(神社庁指定神社)
*七瀬祓(ななせはらい)
 古昔、朝廷に於て行はれた祓の一種。七箇所の神聖な河海に臨んで行った。由比ヶ濱・金洗澤池・固瀬川・六浦・柚川・杜戸(=森戸)・江の島龍穴を以て七瀬とした。
(「森戸大明神公式サイト」より)

社伝によると、当社は源頼朝公が伊豆国、蛭ケ小島に配流の時、源家再興を三島明神に祈願した。
その御加護により旗上げするや、治承4年(1180)、鎌倉に近き、この景勝の地に源家の守護神として伊豆国、三島明神の御分霊を勧請した。
 爾来、北条、三浦、足利、諸氏の崇敬も篤く徳川家より社領七石が寄進されている。又、明治二十五年には英照皇太后の行啓を仰ぎ、葉山郷の総鎮守として崇められている。
(「神奈川県神社庁公式サイト」より)

「森戸大明神公式サイト」はこちらで

参道入口に立つ一の鳥居 社号標
「森戸神社」
参道途中にいる岡崎現代型狛犬
境内入口に立つ二の鳥居
境内社:総霊社
  
総霊社目貫彫刻・龍
総霊社木鼻・狛犬
境内社:畜霊社
参道の様子
境内社:猿田彦大神
境内社:水天宮
  
  
境内社:おせき稲荷社
参道の様子
拝殿前、明治40年生まれの狛犬
嘗ては阿は子狛が玉を囓り、吽は右前脚の下に玉がありましたが、透かし彫りで強度が足りなかったのでしょうか? 両方とも玉は残骸しか残っていません。江戸流れで、見たことのある顔だと思っていたら、青山・石勝さんの作品でした。
狛犬の拡大写真はこちらで
(東京青山石工・中村勝五郎 明治40年(1907)6月16日建立)
拝殿
拝殿内の様子
本殿
本殿裏側、海岸沿いに建つ鳥居
かながわの名木100選・町指定天然記念物・飛柏槇に続く参道
本殿裏に聳える柏槇
参道は森戸川河口まで続いています。
境内社:日吉社
かながわの名木100選・町指定天然記念物・飛柏槇
元暦元年(1184年)、源頼朝公が当社を参拝の折、三島明神から飛来し発芽したものと伝えられ、当社の御神木となっています。古木が海上に乗り出した姿は非常に珍しく、葉山町天然記念物にも指定されています。
樹高:約15m、胸高周囲:約4.0m、樹齢:約 800年余(推定)
岩場の上に聳える御神木
千貫松
神社裏手の磯辺の岩上に切り立つ松の木で、源頼朝公が衣笠城に向かう途中、森戸の浜で休憩した際、岩上の松を見て「如何にも珍しき松」と褒めたところ、出迎えの和田義盛は「我等はこれを千貫の値ありとて千貫松と呼びて候」と答えたと言い伝えられています。
名島
神社裏手の磯辺より沖合い700mに浮かぶ小さな島で、赤い鳥居が立っています。
絵馬