箱根神社

箱根神社境内から脇参道へ

 老杉に囲まれた正参道90段の石段登りが終わり、五の鳥居を潜ると正面に荘厳な神門が見えてきます。
 神門・回廊内には実に煌びやかな権現造りの社殿が建立され、大勢の参拝客で賑わっていました。本殿東には九頭龍神社新宮と攝社・駒形神社、高根神社が祀られ、古代山岳信仰の名残りをとどめる幸運の栄木・安産杉が聳えています。
 境内を後にし、西側の脇参道を降ると、途中には龍神社、箱根山七福神・恵比寿社等が祀られており、元芦ノ湖中にあった湖底木のひとつ「けけら木」を見ながら、駐車場に建つ脇参道入口の鳥居へと行き着きます。
 今回は私の老いた母への「親孝行旅」の一環としてこの社に参拝したので、人が多い時間帯の参拝となってしまい、折角の神秘的且つ神聖なこの社の雰囲気が充分味わえたとは思えず、何れ近いうちに再度早朝の参拝を計画しています。

神門
拝殿
拝殿内の神殿狛犬
本殿
拝殿の挙鼻・龍
拝殿の木鼻・狛犬
本殿東に接する九頭龍神社新宮入口と、左右の攝社・駒形神社、高根神社

「九頭龍神社の由来」「摂末社の由来」拡大写真はこちらで
攝社・駒形神社
御祭神:高皇産霊尊、神皇産霊尊、櫛御毛奴尊、豊玉比賣命、鵜葺草葺不合尊、天照皇大神
例祭日:9月19日
攝社・高根神社
御祭神:天児屋根命、天太玉命、天宇受賣命、大山祇命、乙橘姫命、譽田別命、稲倉魂大神、菅原道真朝臣命
例祭日:10月17日
九頭龍神社新宮、社殿と社殿内の様子
御祭神:九頭龍大神
例祭日:4月29日、月次祭・毎月15日、湖水祭・7月31日
由緒:この社は、龍神湖水の祭に因んで建立された新宮です。芦ノ湖の湖心近く御鎮座されている本宮より、御分霊を奉遷し、鎮祭されました。
 湖水祭は、奈良時代の天平宝字元年(757)、萬巻上人が湖に棲む「九頭の毒龍」を調伏し、湖の主・龍神として鎮斎されたのに始まります。祭典は、まず神前に御供(三升三合三勺の赤飯)と神酒を献じて祝詞を奏し、神楽を舞い、祈願をこめたのち、御供を唐櫃に納めて捧持し、行列を整えて湖畔へと向います。岸辺で小舟にのりかえ、御供船、楽船、お伴船の順で進発しますが、箱根神社湖上の大鳥居前から先は、宮司が唯一人ゆく御供船のみが湖心に漕ぎ出してゆき、神事(御供の献納)を行う一社伝来の特殊神事です。
御神水・龍神水
安産杉

神楽殿 絵馬殿
龍神社全景
龍神社社額 龍神社社殿
箱根山七福神・恵比寿社
御祭神:事代主神
例祭日:1月10日
由緒:箱根神社は、古来関東における山岳信仰の霊場で修験道の集合、影響が強く、箱根山に入峰修練する山伏等が九頭龍明神や 蓑笠明神、堂島弁財天や第六天社などの末社も特に信仰していました。これらの神社は明治維新以来の神祇制度の変革(神佛分離、修験道の廃止等)により、秘かにお祀りされてきましたが、社頭整備の一環として社殿を建立し奉齋しています。
「箱根七福神の由来」拡大写真はこちらで
境内社・弁財天社
御祭神:市杵島姫神
例祭日 4月15日
由緒:嘗て堂ヶ島に鎮祭され、箱根山に入峰修練する山伏等が崇敬、 跪拝 しましたが、明治維新以来の神祇制度の変革(神佛分離、修験道の廃止等)により、秘かにおまつりされてきました。現在では社頭整備の一環として社殿を建立し奉齋しています。
神輿庫 境内社・祓戸神社
境内社・祓戸神社にいる年代不明の狛犬
左は子狛を連れ、右は玉を持っています。優しそうな耳長の江戸狛犬ですが、神輿庫のすぐ裏に置かれ正面からは撮影不能です。
「けけら木」覆い屋
「けけら木」は、芦ノ湖中にある湖底木のひとつです。太古の昔、巨大地震で陸上から芦ノ湖の底に地滑りした樹木の化石で、この木が、古来、伊豆・駿河・相模の界域を示したことから、平安・鎌倉時代、国守の代理となって任国に赴いた役人の名称「目代」にちなんで名付けられたといわれています。この木は、先年、夏の湖水祭・例大祭の翌日、この地方を襲った台風の影響により、芦ノ湖が荒れ、浮遊したもので、この地に遷されました。
駐車場に建つ脇参道入口の鳥居
駐車場茂みから一体だけで脇参道を監視しているブロンズ狛犬
絵馬