猫神神社

鹿児島市吉野町9700-1(平成19年6月25日)

 この神社は万治元年(1658年)島津藩主の別邸として建てられた仙巌園(磯庭園)内に鎮座しています。仙巌園といえば鹿児島を代表する観光名所で、園内には反射炉跡や御殿、日本初のガス灯・鶴燈籠、曲水の庭など見所が多いのですが、私は3度目、夫は観光名所など目もくれず神社一筋なので、ツアーの限られた時間内で観光は一切せず、ひたすら園内3ヶ所の神社巡りに専念しました。この社は御殿北側の、普段は余り訪れる人もいない静かな場所に、ひっそりと鎮座していました。

 御祭神:猫2匹
 例祭日:6月10日
 由緒:文禄の役(1592〜1593)に17代島津義弘公は7匹の猫を連れて朝鮮半島へ出征し、これを各部隊に配属して、猫の瞳孔の開き具合によって時刻を推察したと言われています。その7匹のうち5匹は戦死し、生還した2匹の猫の霊を「時の神様」として祀ったのがこの猫神神社です。当時時計などは一般に普及して居らず、手軽に時刻を計る手段として猫の瞳孔の開き具合が用いられたのでしょう。この集団で従軍した猫達の功績もあったでしょうが、特に島津軍は「鬼石蔓頭(おにしまづ)」と敵兵から恐れられ、華々しい功績を挙げたと言われています。時の記念日(6月10日)には時計業者の人々がここに参集して例祭が執り行われ、愛猫家の為には猫長寿祈願祭も行っているとのことです。

入口の絵馬掛けには愛猫家のお願いがいっぱい
猫絵馬
神社入口
境内と参道の様子
社殿は石の祠です