蒲生(かもう)八幡神社

姶良市蒲生町上久徳2259-1 (平成22年1月4日)

東経130度34分18.4秒、北緯31度45分42.37秒に鎮座。

 この神社は蒲生小学校北に鎮座しています。42号線沿いに大鳥居が建ち、社頭まで凡そ120m、入口の左側には大楠が聳え、イカヤキなどの露天の前を過ぎると石段左右に門守神、更にその中央の石段を上がると境内となります。
 境内左には貫禄十分な「日本一の大クス」が聳えていますが、この「日本一」と言うのは環境庁の昭和63年度・緑の国勢調査によるもので、目通りの太さが基準となっています。確かに今まで樹齢1000年程度の大楠を何本か見てきましたが、ここまで幹周が太い物は見てこなかったように思えます。温暖な鹿児島とはいえ、1500年もの間にはさぞ色々なことが起こったことと思われ、現在の樹勢は奇跡とも思えます。是非これからも大事に保護していただき、「日本一」の座を守り続けて貰いたいものです。
 「日本一の大クス」にばかり気を取られてはいられません。境内右にも大カヤが聳えています。推定樹齢こそ不明ですが、かなりインパクトがある巨樹です。クス以上に巨樹が少なくなっているカヤ、こちらも長生きしてほしいですね。
 と、木にばかり目を向けてはいられません、私達の本来の目的は神社と狛犬なのですから…。まず、境内入口へ上がる石段左右で目を光らせる昭和10年生まれの狛犬にご挨拶、正面に建つ入母屋造りの拝殿は朱と白で彩色されたとても綺麗な社殿です。何でも昭和60年の台風の被害により社殿は大破し、現在の社殿はその後再建したもので、その所為かどうか、現社名は台風被害の翌年に改称したそうです。
 社殿右側には四所宮等の境内社が整然と祀られ、絵馬の絵柄は勿論大楠でした。
 此の地鹿児島は「狛犬不毛地帯」といわれ、狛犬に関しては余り期待してこなかったのですが、この社には昭和とはいえ狛犬が居て、又この様な巨樹が見られて、とても幸せな気分に浸れた神社でした。

 御祭神:応神天皇、仲哀天皇、神功皇后
 祭礼日:1月1日・初詣(無病息災・五穀豊穣奉納、蒲生太鼓坊主)、7月 31日・六月灯、8月21日・太鼓踊り(防虫・健康増進・武運長久)、10月19日・例祭
 境内社:四所宮、早風社・天社・國社、十八種神社・武内神社、東善神王社、西善神王社、鵜木神社・白石神社
 由緒:この社は保安4年(1123)鳥羽天皇の御宇 時の蒲生院総領職だった蒲生上総介舜清(蒲生氏の初代)が豊前国宇佐八幡宮を当地に勧請して建立した。これは蒲生舜清の母が宇佐八幡宮の宮司家の出身であったためと言われる。
 戦国時代、島津氏との激しい戦いの末に蒲生氏は敗れて島津氏の軍門に下り、弘治3年(1557)他地に退去させられた。その後島津義弘により社殿が再建され、また元和4年(1618)12月に義弘公から鳥居と額を奉建したともされる。
 明治6年5月郷社に、大正5年5月更に県社に列せられる。

神社遠景
参道入口の八幡大鳥居
参道の様子
社頭
参道の様子
石段左右に祀られる門守神
西善神王社 東善神王社
境内入口
境内の様子
境内左右に聳える大クス・大カヤ

大クス・大カヤの拡大写真はこちらで
境内左に聳える日本一の大クス 境内右に聳える大カヤ
石段左右で目を光らせる昭和10年生まれの狛犬
(昭和10年(1935)10月吉日建立)
拝殿
拝殿内の様子
本殿
境内社:四所宮(仁徳天皇・宇治王子・ウレ姫・クレ姫)
境内社:天社(神世七代神)、國社(地神五代)、早風社(大人隼人)
境内社:十八種神社(天勝國勝奇霊千遇疫神他9柱、醫祖神、薬祖神)、武内神社(武内宿禰)

境内社:鵜木神社・白石神社
神社裏の森と巨樹下に置かれていた不思議な石造物
絵馬