船越八幡神社

三豊市詫間町大浜1638(平成21年3月30日)

東経133度37分8.8秒、北緯34度14分1.14秒に鎮座。

 この神社は大浜小学校の北に鎮座しています。
 巨木が茂る神社を目指すと、玉垣の張り巡らされた神社入口を嘉永4年生まれの狛犬が護り、鳥居を潜ると正面に随神門が建立されています。随神門内には随神さんと色とりどりの彩色が残る木製狛犬が置かれています。
 境内は広々として鎮守の杜の中央正面に大きな拝殿が建立され、横に廻ると棟続きの幣拝殿と本殿が建立されています。と思ったのは一瞬で、更にその奥に神橋と中門が建ち、塀に囲まれた中に本殿が建立されていました。先ほど本殿と見間違えた建物が大きな幣拝殿だったのです。普段私達が参拝させていただいている神社とは、比較にならないほど大規模な造りです。
 これまでにも香川県の神社の在り方、信仰心の篤さには、感心させられることばかりでしたが、ここに至っては只頭を垂れるばかりの境地となりました。他府県では、観光神社には人が集まり、それなりに整備されていますが(整備されすぎでややもするとミーハーな感じがする神社もありますが…)、香川県ではそれぞれの地域の産土神が、かなりの規模で維持管理されています。現代社会において、これほどの信仰心が維持されている地域は、少ないのではないでしょうか? 嬉しい限りです。
 神橋を渡ると、木の塀と中門に囲まれた中には本殿が建立されており、境内には金比羅神社等の境内社が祀られ、拝殿左には豪華な常夜灯が建立されています。
 又、この辺りにも「浦島伝説」があるのでしょうか? 境内右側の玉垣内には亀の背に乗った浦島太郎像がありますが、どうしたわけかこの浦島さんは亀の背に乗った状態で、もうおじいさんになっています。尚、この社の鎮座する荘内半島の先の部分はかつて「浦島」という島だったところで、砂州の発達で陸地と連結した陸繋島となり現在のような半島となったものだそうです。

 御祭神:応神天皇、仲哀天皇、神功皇后
 神事と芸能:おとぐい神事・10月1日、獅子舞・10月2日、ももて祭・旧暦2月2日
 境内社:金比羅神社、住吉神社、若宮神社、高良神社、粟島神社
 由緒:創祀年代は不詳ですが、一説には神亀元年(724)、宇佐八幡宮より勧請したとも伝えられています。
 古来より当村の産土神として村民の崇敬が篤く、往時から船越八幡と称しました。
 明治5年郷社に列しています。
(神社名鑑より)
 又、この社に語り継がれる伝承には、京都・伏見稲荷大社と同じ「藁一把分でこの社地を得た」という面白いお話が残っていますが、詳しくはこちらのサイト(船越八幡神社)に載っていますのでどうぞ。

社頭
境内入口 明神鳥居 社号標
境内入口にいる嘉永4年生まれの狛犬
大きな垂れ耳で、浪速の流れを汲む讃岐バージョン狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(嘉永4年(1851)8月吉祥日建立)
随神門
随神門内の木製狛犬
阿吽の位置が反対です。色とりどりの彩色が残っていますが、虫喰いが酷く、阿の胸の辺りや左前足の先が欠けています。内側の前脚を下げ、斜め横に向けた顔はお互いを見つめ合っているようです。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内の様子
拝殿
拝殿屋根上の飛び狛さん
幣拝殿
神橋と中門
中門前にいる建立年代不明の浪速狛犬
吽には角があり、江戸時代末期の浪速狛犬そのものです。
狛犬の拡大写真はこちらで
中門
中門入口で内側に向かって取り付けられている珍しい木鼻狛犬
本殿
境内社:住吉神社
境内社:若宮神社
境内社:高良神社
境内社:粟島大明神
境内社:金比羅神社
末社群 常夜灯
西伯利亜凱旋記念碑 浦嶋太郎像