吉田神社

水戸市宮内町3193-2(平成22年6月13日)

東経140度29分12.89秒、北緯36度21分27.04秒に鎮座。

 この神社は水戸駅の南南東約1.3km、180号線に入口があり、それほどの標高差はありませんが、朝日山という丘の上に社地が作られています。社号標と神明鳥居が立つ入口から入ると、左手には神井があり、参道には神橋が架かっています。神橋を亘ると石段の参道を上がっていきますが、途中にはご神木の大ケヤキが偉容を見せて聳えています。
 石段を登り切ると通称三角山とよばれる「朝日三角山遺跡」に、「日本武尊御遺蹟の碑」が立っています。四の鳥居を潜ると駐車場で、右には境内社の天満宮が祀られ、大きくどっしりとした随神門前には昭和2年生まれの狛犬がいます。
 随神門を潜ると境内で、正面に建立されている拝殿は千鳥破風唐破風付きの豪壮な建築物で、「常陸第三宮」の額が掛かっています。拝殿の奥には中門と透かし塀内に神明造りの本殿が建立され、周囲には境内社が祀られています。又、境内には見事な姿を見せているご神木・しだれ桜があり、春の参拝が楽しげな神社です。

 御祭神:日本武尊
 祭礼日:元旦祭・1月1日、節分祭・2月節分の日、祈年祭・2月17日、春祭・4月29日、御田植祭・子供あんどん祭・7月下旬の金曜・土曜、例大祭・10月中旬の金・土・日曜、七五三祈願・11月中実施、勤労感謝祭・11月23日、大祓・6月晦日、12月晦日、月次祭・毎月1日、15日
 境内社:国見神社・早歳神社・飯神社・水戸神社・稲荷神社・住吉神社・吉田天満宮・松尾神社・八幡宮・大国主事代主神社・疱瘡守護神社・多賀神社・土師神社・皇太神宮、二所別宮(笠原神社・酒門神社)
 由緒:古来常陸国内第三社とも呼称される。
 尊が東夷平定の帰途、常陸を過ぎて兵をこの地朝日山に留めて憩わせた故事を以って、この地に神社を創建し尊を奉祀した。尊の御休憩の場所は今日も三角山と称し境内見晴台の一角を占め、神聖な処として伝え残されている。
  創建の年紀は詳らかではないが、当社の古文書によれば正安4年(西暦1301年)は、御創建以来800余年に当たるとあるので、これより推定すると、顕宗天皇(485)と仁賢天皇(498)の御代の間に遡るもののようである。
  後に後鳥羽天皇は建久4年(1193)国司に勅して社殿を改造せられ12月遷宮式を行い、これより後は鹿島神宮(旧官幣大社)の遷宮についで当社の遷宮が行われるのを例とした。次いで亀山天皇は弘長元年(1261)2月20日本社の神位を従一位より正一位に進め、後陽成天皇の父、誠仁親王は天正4年 (1576)に御手ずから第三宮の三字を記され、大宮司田所清恒に賜り当社の扁額とされた。更に後光明天皇の慶安元年(1648)10月には、大将軍源家光が「吉田宮印」の朱印を下され、権中納言源頼房は水戸に封ぜらるるや尊の功烈を慕われ、その子贈大納言源光圀に至っては、尊崇最も敦く旧制に従って本殿 (神明造)拝殿・神殿・神楽殿・宝蔵・階・玉垣等を造営し、八乙女・神楽男五人を置き盛大な斎祀を行われた。
  現在においても尚毎年10月中旬の金・土・日曜には、旧下市周辺を挙げて盛んな神輿渡御の神事が行なわれ、細谷町舟渡の那珂川岸に渡御することは今も古例の通りである。尊が朝日山に憩わせ給うた折、舟を藤蔓でつないでこの朝日山に登られたと伝えられ、今に存する藤柄町の町名はこれより出たものであるとされている。
  現在三角山のある一角は、見晴台と呼ばれ茨城百景の内でも、特に優れた勝地と称えられているが、この高地に立てば一望千里水戸市を眼下に収め、視界の及ぶところ近くはひたちなか市、湊の反射炉、遠くは阿武隈山脈のなだらかに起状しつつ静かに尾を引き彼方に達し、まことに史蹟と眺望とを兼ね備えた天下有数の神域である。
(「吉田神社公式サイト」より)

社頭
神井
参道と神橋
石段参道
石段参道途中右側に聳えるご神木・大ケヤキ
石段参道途中に立つ二の鳥居
境内入口と三の鳥居
境内に入るとすぐ左に玉垣に囲まれた「日本武尊御遺蹟」があります。
日本武尊御遺蹟に立つ鳥居 「吉田神社と朝日山」碑
親柱に「朝日三角山遺跡」、「常陸第三宮吉田神社」と
書かれた玉垣内に、「日本武尊御遺蹟の碑」が立っています。
参道に立つ四の鳥居
参道の様子
境内社:天満宮入り口
天満宮拝所 天満宮社殿
随神門前にいる昭和2年生まれの狛犬
前方は殆ど無傷ですが、裏面には大きな損傷が見られます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和2年(1927)5月14日建立)
随神門
境内の様子
拝殿
拝殿に掛かる額「常陸第三宮」
中門と神明造りの本殿
拝殿右に建つ神楽殿
境内社:右から
松尾神社・多賀神社、 住吉神社・八幡宮、
大国主事代主神社・疱瘡守護神社
境内社: 国見神社・早歳神社
境内社:飯神社・水戸神社 末社群
境内社 御神馬殿
境内で見事な姿を見せているご神木・しだれ桜