水戸八幡宮

水戸市八幡町8-54(平成14年7月13日)(平成22年6月13日再訪)

東経140度27分48.41秒、北緯36度23分3.8秒に鎮座。

 この神社は偕楽園駅の北北東約1.65kmに鎮座しています。私達は駐車場から近い「国寶八幡宮」の社号標がたつ西参道からの参拝でした。
 靖国鳥居を潜ると参道脇には紫陽花の花々が咲き乱れ、その清楚な色合いに心が和みながら進むと参道は左に曲がります。広々とした参道の前方は大きな鎮守の杜で、その奥に鳥居と随神門が見え、その参道左には境内社が祀られています。神明鳥居を潜ると市指定有形文化財・随神門で、この奥が境内となります。
 境内正面の拝殿は只今「平成の大修理」中で、残念ながら拝見することはできませんでした。その右に仮の御祈祷殿が作られていました。御祈祷殿を回り込むように後ろ側に廻ると、平成10年末に建立当時の色、模様、金箔を施し、まばゆいばかりの姿に復原された国指定重要文化財・本殿を拝見することができ、安土桃山時代の華やかな雰囲気と美的感覚を味わうことができました。
 本殿周囲にも水戸市最古の天満天神社を始め沢山の境内社が祀られています。
 又、社殿左には国指定天然記念物ご神木・御葉付公孫樹が、何本もの乳根を垂れ下がらせた、珍しく、又、風格ある姿を見せています。

 御祭神:誉田別尊、息長足日売尊、姫大神
 祭礼日:1月1日・元旦祭(歳旦祭)、1月4日・湯清め神事、1月成人の日・はねつき神事・破魔弓神事、1月25日・天満天神社 初天神祭、2月3日・節分追儺式、2月17日・祈年祭、4月15日・例大祭(つばな引神事・戌亥大祭・八角神輿出御)、4月中旬・例大祭神輿渡御(八鳳会)、6月30日・夏越の大祓式(茅の輪くぐり)、5月下旬〜7月下旬・あじさいまつり、8月上旬・水戸黄門まつり神輿渡御、旧8月16日・神事流鏑馬祭、10月中旬〜11月30日・七五三祭、10月24日〜11月15日・大菊花展、11月23日・新嘗祭、12月31日・師走大祓式
 境内社:水天宮、三島神社、二神宮、金刀比羅神社、三峯神社、淡島神社、随神社、武内宿禰神社(荒魂)、武内宿禰神社(和魂)、青麻神社、石尊神社、松尾神社、天満天神社、稲荷神社
 由緒:常陸太田の城主佐竹義宣公は天正18年(1590)に水戸城主であった江戸氏を滅ぼし、翌19年に水戸城主となった。義宣公は翌年の文禄元年(1592)氏神として崇敬していた常陸太田鎮座の馬場八幡宮より、八幡大神を水戸城西八幡小路(現在北見町)に奉斎し、慶長3年(1598)に現御本殿(国指定重要文化財)を建立、水府総鎮守として鎮斎した。
 慶長七年(1602) 佐竹氏が秋田へ移封され水戸は徳川家の所領となった。
 元禄七年(1694)二代藩主光圀公の寺社政策の命により、八幡小路鎮祭の八幡宮を那珂西村(現城里町那珂西)へ移遷した。
 宝永六年(1709) 三代藩主綱條公の時代、正神主田所修理清澄をはじめ氏子等の請願により那珂西から再び水戸に遷座され、現在の白幡山の神域に鎮斎された。移築の際、白鶴一羽が舞い降りて神域を卜定せしめたと伝わる。
 以来、水戸藩主代々の崇敬社で農・工・商の神また厄除・子育て・戌亥年生まれの守護神として信仰される。
「水戸八幡宮」公式サイトより)

神社遠景
西参道入口
社号標
「国寶八幡宮」
西参道入口に立つ靖国鳥居
参道の様子
紫陽花の咲く西参道は40m程で突き当たり、左に曲がります。前方は大きな鎮守の杜で、その奥に鳥居と随神門が見えています。その参道左には境内社が祀られています。
境内社:水天宮 境内社:三島神社、二神宮
境内社:金刀比羅神社、三峯神社 境内社:淡島神社
御神馬殿
参道に立つ神明鳥居
市指定有形文化財・随神門附随神社2棟
切妻造の四脚門で、左右に随神社が付属し、屋根はこけら葺形銅板葺である。墨書によると、建立は宝暦7年(1757)であるが、随神社が奉納された享保8年(1723)の可能性もある。全体は素木であるが、波に龍の欄間彫刻には彩色の痕跡が残る。この時代のものとしは木割も太く古式を伝え、質の良い四脚門で、県内でも非常に価値のある門である。
市指定有形文化財・随神門附随神社
右大臣 左大臣
境内と「平成の大修理」中の拝殿
(下の写真は待合室内に展示中の改修前の拝殿の姿です。)
市指定有形文化財・拝殿及び幣殿
桁行五間、梁間三間、一重、入母屋造、銅板葺(元こけら葺)で、一間の向拝は軒唐破風付、二間四方の幣殿が接続する。建立は安永4年(1775)で、旧来の拝殿が手狭になったための再建。
拝殿前にいる江戸尾立狛犬
台座には「明治25年建立」とありますが、顔つき、尾の形状、足の踏ん張り方など、全てが江戸中期(1700年代後半)の特徴を備えていますので、私達は「明治25年建立」は台座の建立年で、狛犬そのものは1750〜1800年辺りに作られた物と考えています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治25年(1892)3月建立)
右近の桜 左近の桜
御祈祷殿
御祈祷殿内の様子
国指定重要文化財・本殿
慶長3年(1598)、水戸城主となった佐竹義宣公により建立される。桁行三間、梁間二間、一重、入母屋造、屋根とち葺、正面一間通り庇付、和様に唐様を混え、木割も太く、意匠も大変奇抜で古式をよく伝えている。平成10年末、建立当時の色、模様、金箔を施し、まばゆいばかりの姿に復原された。洗練され、のびやかな形、彫刻、彩色など安土桃山の美を今に伝えている。
本殿と彫刻類拡大写真はこちらで
境内社:武内宿禰神社(荒魂) 境内社:武内宿禰神社(和魂)
境内社:青麻神社
境内社:石尊神社
境内社:松尾神社
境内社:天満天神社
合格筆塚 合格小僧
絵馬掛け 撫牛
絵馬
境内社:稲荷神社入口
稲荷神社参道 稲荷神社社殿
末社群 末社
楷の木

国指定天然記念物ご神木・御葉付公孫樹
樹齢・700年、樹高・35m、幹周・6m
この公孫樹は「八幡なる神の社の御葉付の公孫樹のごとく千代に栄えむ」と和歌にも詠まれ、秋の紅葉がすばらしい。雌木で多数の実を結ぶが、中に稀に葉先に実を生じるところから、この名がついた。往古、遣唐使が持ち帰った五本の一つと伝えられる。幾本もの乳根が垂れ下がり、樹勢の雄大風格ある姿は同種類中全国第一と言われる。安産、無事成長、延命長寿、縁結びの御霊験あらたかである。
公孫樹絵馬
推定樹齢約200年のヒイラギ
参道・境内に咲く様々な紫陽花の花