雀神社

古河市宮前町(平成18年1月22日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、国道354号線を古河市内に向かい、渡良瀬川に架かる三国橋を渡ってすぐ左折、それから右折して左折して進むとゴルフ場のクラブハウスがあります。その隣になります。まず入口のケヤキが迎えてくれます。最初の狛犬は、慶応3年でした。このような色の狛犬は、初めて見ました。写真はよく撮れません。お許しを。近くにある手水舎の水盤と一緒に奉納されたようです。拝殿前の狛犬は、胸に元禄14年の記載がありました。節分祭が盛大に行われるようです。

 この神社は古河駅の北西約1.4km、古河ゴルフリンクス中央東に鎮座しています。
 案内によると、主祭神は大己貴命、少名彦命、事代主命の三神ですが、創建は不詳です。伝承に依れば、貞観年間(859〜876)に出雲大社から勧請されたと伝えられています。その社名の由来は昔、このあたりを「雀が原」といったので、その名がつけられたとか、「鎮宮(しずめのみや)」が転訛して雀宮(すずめのみや)になったとか諸説があるようです。康正元年( 1455)に足利成氏が伊豆の堀越よりこの地へ移って古河公方となってからは、 代々の公方の篤い崇敬を受け、徳川将軍家や代々古河藩主の崇敬も篤かったようです。また、現在の社殿は慶長10年(1605)に松平康長の造営したもので、その時、磐戸神楽を奏したしたものが今日まで伝わり、夏の祭礼には今も「ささら獅子舞」として奉納されています。
 前回古河に詣でた時には、迂闊にも安中市の赤城神社境内社のように「舌切り雀」関係の神社とばかり思って行きそびれましたが、どうしてどうして大変由緒ある出雲大社系の神社だったのですね〜。下調べをしていないと感動も大きいですが、こういうチョンボもままあります。まあ、そういうところが面白みでもあるのですが…。それに、ここには銘が入った物では、茨城県内最古の狛犬も居ました。

神社入り口と大ケヤキ
江戸時代最後の年、慶応3年(1867)に造られた獅子山です。
それぞれの山には子狛がいます。斑に見えるのは紅い彩色が落ち、地の色が出てきたためですが、数ある獅子山の中でも狛犬に彩色が施されているのは初めてです。一見備前焼などと同じように陶器製の狛犬が置かれているのかと見まごうほどの凝った造りの尻尾で、良く今まで綺麗に残っていたものと感心しました。
(慶応3年(1867)建立)
拝殿と境内の様子 拝殿
本殿
この狛犬達が銘の入っている物としては、茨城県最古の狛犬といわれている一対です。
素朴な造りですが、もうはじめからは卒業しているようです。江戸尾付きと言っていいのでしょうか。
顔も鬣のカールも尻尾もそれぞれ工夫の跡が見られます。しっかりした顔つきでお座りをしている犬に似た狛犬です。

(元禄14年(1701)建立)
龍が立てた大波の上に宝珠が乗った図柄の水盤。お目出度いことに、俵の上に載せてあります。 境内社
境内社・稲荷神社 我が氏神、穴八幡でも毎年節分祭をしますが、こんなに豪華な賞品はお目にかかったことはありません。羨ましい限りです。

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