一言主神社

常総市大塚戸町(平成18年3月26日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、つくば野田線を野田方面に向かい、菅生南信号を右折、約3キロで到着です。狛犬は、4組です。手前から文久2年、昭和50年、昭和39年、昭和12年でした。本殿は、市指定文化財です。

 この神社は旧水海道市の岩井菅生線と菅生沼に挟まれた地域に鎮座しています。葛城の一言主神社には2回ほど詣でた事があるのですが、こちらの方が御本社より規模が大きいようです。
 案内によると、御祭神は大国主命の最愛の長子で一言主大神(別名・事代主神)です。この神は何事もよく道理をわきまえ、良い事につけ、良からぬ事(心配事、病気、災難)につけ、良く聞き分けて人々の幸福のために一言の願い事でも疎かにせずに願いを叶えてくれるといわれています。
 社伝によると、大同4年(809)現在の社殿西方の雪の中に眩い光を放つ筍が生え、数夜にして三岐(みつまた)の竹に成長し、その不思議さに村人が行者に祈祷させたところ、「吾は大和國葛城山に居る一言主大神なり。今東國の万民の災禍を救わんが為に来れるなり。即ち此の三岐の竹を以て永く契とせよ。」との御託宣があり、この地に社殿を造営し、大和国(奈良県)葛城の一言主神を迎え奉祭したのが創祀と伝えられており、その後も時折三岐の竹が生え、この神社が「三竹山」と称される所以となりました。
 市指定文化財の本殿は、長禄3年(1459)に下総国守谷城主相馬弾正胤広侯(平将門の後裔)の寄進によって再建されたとされています。現存する社殿は、元禄13年(1700)正月遷営のときに大修理が行われました。一見社流造で、脇障子には「三岐の竹」の彫物がはめられています。
 またここには秋季例大祭(9月13日)に県指定無形文化財の綱によるカラクリ人形と仕掛け花火が合わさった特殊伝統芸能『からくり綱火』が催され、毎年大勢の人で賑わうようです。

神社入り口 境内の様子
文久2年(1862)生まれの狛犬。
剥落が始まっていますが、老成した感じの、落ち着いた出来の良い、江戸タイプの狛犬です。

(文久2年(1862)8月12日建立)
一番年少のしょうわ狛犬
(昭和50年建立)
しょうわ狛犬もここまで苔むすと、少しは落ち着きが見られるようになりますね。
(昭和39年建立)
大変高い位置にいる小顔のマンガチック狛犬。
顎から背中にかけての2段のフサフサとした鬣が羨ましい限りの量です。
(昭和12年建立)
大きく荘厳な拝殿 拝殿正面
拝殿の木鼻、狛犬と象。
挙鼻には龍と精緻な波が見られます。
ご神木
市指定文化財の本殿。綺麗な彩色が施され、大切に保存されているようです。
境内社・大黒社 多数の末社
多数の文字碑