武尊神社

利根郡川場村川場湯原(平成18年7月2日)

 この神社は川場温泉の中程に鎮座しています。
 享保3年(1718)湯前薬師堂として建立され、宝歴5年(1755)に修復、享和4年(1804)現在の本殿が完成しました。今でもお厨子内には薬師像が安置されているそうです。本殿は川場村指定重要文化財となっており、三間四面造りの大床勾欄を四面に回すお堂造りで、屋根は銅板入母屋造り、正面千鳥破風・向拝唐破風付の変わった構造の建築様式です。
 川場温泉武尊神社の前には弘法大師を祀った祠がありますが、「昔、弘法大師がこの地を訪れた時、老婆の家に泊めてもらいましたが、老婆は旅の疲れを癒して貰う為のお風呂がないことをわびたところ、弘法大師が杖で地を貫くとお湯が湧きだした。」という伝説があるそうです。
 湯前薬師堂がいつ頃武尊神社となったかは定かではありませんが(多分明治期と思いますが)、利根沼田地域には武尊神社が18社あり、日本武尊を御祭神とする神社は26社に及び、主に利根川の左岸側、水上町藤原、片品村花咲、川場村の湯原や生品などに数多く分布しているそうです。(利根郡誌参照)

神社入口 川場村指定重要文化財の社殿
内陣の須弥壇には三社殿が建立されています。
内陣の須弥壇の欄間彫刻。中国の故事にちなんだ物と思われます。
須弥壇中央の犬?狛犬?の彫刻 天井中央部分には、狩野探雲が描いた
双竜図が、淡水画で描かれています。
天井を縁取るように植物の天井画がたくさん描かれていました。
木鼻の龍は、阿吽があり、虹梁にまで続く見事なまる彫りで、迫力充分です。
社殿六面の外壁欄間彫刻。これも中国の故事にちなんだ物です。
社殿入り口欄間彫刻は鳳凰です。
向拝上部の邪鬼 木鼻の狛犬もたくさん居ます。
庚申塔、青面金剛像など