尾曳稲荷神社

館林市尾曳町(平成18年5月24日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、向井千秋子ども科学館の近く、城沼の辺にあります。手前から昭和6年、弘化3年のキツネ、弘化3年の狛犬、昭和15年のキツネが迎えてくれました。弘化3年のキツネ、狛犬は、手が欠けています。赤い本殿と木々の緑がいい感じです。境内には、摂社(?)末社(?)がたくさんありました。

 案内の創建と由来を要約・補足すると、御祭神は倉稲魂命、合祀祭神は誉田別命(八幡神社)、素盞嗚尊(八坂神社)、倭建命です。
 戦国時代の天文元年(1532)赤井照光が創祀しました。照光が大袋城主だった頃、子狐を助けたその夜に翁が現れて礼を述べ、この城よりも館林が要害堅固であると説き、次の夜現れた老狐は尾を曳きながら縄張りをし、「築城完成の暁には永く当城の守護神に使えよう。私は稲荷の神使新左衛門である。」と言い姿を消しました。これにより完成した城は尾曳城と言われ、城中の一郭に社殿を造営し尾曳稲荷神社が奉祀されました。後に押し寄せた敵の大軍にも城は落ちず、これにより鬼門に祀った稲荷神の加護が益々信じられるようになったということです。

神社入口。参道には稲荷社らしく赤い鳥居が続きます。
神社の由来に相応しくこの神狐は子狐を連れています。
それにしても新しい狐はどうしてこうも厳つい顔をしているのでしょうか。
(昭和6年建立)
神社の由来に相応しくこの神狐も子狐を連れています。
デフォルメが効いたこの狐たちは、何故か「日本昔話」に
出てくるような優しさと懐かしさを感じさせてくれます。
(弘化3年(1846)建立)
稲荷社に狛犬は珍しいですが、この狛犬は威厳と風格を感じさせます。
阿の左前脚の上げ方も珍しいですし、子狛がその足に
じゃれて噛みついているのも面白く感じられました。
吽の右前脚が欠けてしまったのが残念です。
(弘化3年(1846)建立)
この神狐は、本当に昭和15年生まれ?と思うほど、この年代の狐にしては
穏やかで優しげで、良くできたお狐様です。それにしてもこの子狐は大きい子ですね〜。
(昭和15年(1940)建立)
とても立派な拝殿です
拝殿の額 木鼻狛犬も子狛を抱いているように見えるのですが…。
挙鼻では狐と親子龍の彫刻が仲良さそうにしています。
本殿と透かし塀の赤と黒の対比が際だっています。
境内には境内社・末社が多数見られ、神狐の奉納も多く、狛犬の先代の姿も見られます。