赤城神社

渋川市北橘町下南室111(平成19年5月27日)

 この神社は真壁調整池と十二山の中間に鎮座しています。入口は小さな溜池に面して造られ、十数段の階段上には綺麗な朱の両部鳥居が建っています。鳥居を潜ると平坦な参道となり、その後二の鳥居からは又階段となり、境内へと行き着きます。境内の裏は急な斜面になっていて、鬱蒼とした鎮守の杜が形成されていました。境内には春の例祭で太太神楽が奉納される綺麗な神楽殿が建ち、覆い屋内の本殿は、三方の壁面に刀の鍔に似た形の中に「竹取物語」の様な人物像が彫られ、又、組木、脇障子、虹梁等にも見事な彫刻が施されていました。

 群馬県内に118社ある、赤城山の神を祀る一社ですが、太々神楽の案内のみで社そのものの案内が無く、この社の勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。
 4月の第一日曜日に執り行われる春の例祭・太太神楽は、1御神迎え 2返拝の舞 3四神の舞 4細目の舞 5岩戸の舞 6鍛冶屋の舞 7火の神の舞 8養蚕の舞 9四方固めの舞 10御神送り等が奉納されているようです。この太々御神楽は、東京の御嶽神社に伝わる神楽を受け継いだ江戸神楽系の里神楽で、明治16年(1883)に神官金古常陸介が赤城神社の神事芸能として取り入れました。式舞7座、興舞20座があり、一部が例祭に奉納されています。特に「養蚕の舞」は、この村の基幹産業だった養蚕の手順を後世に伝える貴重な興舞で、市の重要無形文化財に指定されています。

社号標「村社 赤城神社」 神社入口
参道途中の二の台輪鳥居 境内の末社群

神楽殿 大々御神楽(案内写真転載)
昭和3年(1928)生まれの溌剌とした狛犬
阿は玉を持ち、吽は前脚の間から可愛い子狛が顔を出しています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和3年(1928)4月吉日建立)
拝殿 拝殿内の様子
本殿覆い屋
本殿虹梁
見事な龍の彫刻が施されています。
本殿脇壁・後壁の彫刻
本殿脇障子・透かし彫り彫刻
入口下の溜池に咲いていた季節外れの睡蓮