男鹿市北浦北浦山王林1 (令和7年8月2日)
東経139度47分07.81秒、北緯39度57分45.01秒に鎮座。
この神社は、JR男鹿線・羽立駅の北西10km程の辺り、男鹿市北浦支所のすぐ東側に鎮座しております。10世紀頃染川に日枝神社として創建されましたが、後に北浦に遷座され、現在は北浦神社と改称されています。嶋郡地頭 安倍兼季による康永年間(1342〜45)の棟札が近世の文人によって書写され残っているそうです。山王林という地名も山王さんという愛称で親しまれている大津市坂本の日吉大社にちなんで付けられたのではないでしょうか。現在の御祭神は大山咋命、天照皇大御神、恵美須大神、菅原朝臣道真命、伊邪那美大神、菊理毘売命、大名持命、佐竹大神、唐松大神、保食大神です。この様に沢山の神々を合祀したため、日枝神社として存続するのは難しく地名を冠した神社となったものと思われます。
男鹿では、毎年ハタハタの接岸期が近づくと、海の生物たちの大漁祈願と、供養祭をそれぞれの地区で行っており、それを「落ち着き」の行事というそうですが、毎年11月の酉とか辰のつく縁起のよい日を選び(6のつく日は、ろくでないことに通じるので避ける)、ここ北浦でも、お払いした龍神さんの護符を番屋の神棚に供え、灯明や御神酒を上げて番屋開きをし、煮た小豆を食べて大漁と安全を祈願するのだそうです。
また下記写真にもあるように7月14日の北浦神社の例祭は鹿嶋流し、鹿嶋送りとも呼ばれ、秋田県で特に盛んな民俗行事だそうです。家々から奉納された鹿嶋人形(武者人形)を鹿嶋船に乗せ、笛太鼓で地区内を囃して練り歩き、最後に川に流したり焼いたりするのが一般的ですが、ここ北浦では鹿嶋船を川ではなく海に流します。そして流された鹿嶋船が寄り着いた浜は、ハタハタの大群を招き、大漁になると言い伝えられています。鹿嶋神はもともとは航海神、軍神として知られますが、秋田県内では五穀豊穣、豊年万作、地震除け、無病息災、悪疫退散、害虫駆除など広範囲な御神徳が信じられているそうです。
御祭神 大山咋命・天照皇大神・恵美須大神・菅原朝臣道真命・伊邪那美大神・菊理毘女命・大名持命・佐竹大神・唐松大神・保食大神
由緒
往古藤原基久卿東夷征伐の為、坂本山王宮を男鹿相女川(今の相川)に勧請したる古社にして、大治元年4月領主安部季治山王宮を相川村より北浦村へ遷座され、弘安元年正月7日領主物入を以て神事相始め、康永3年卯月朔日領主安部兼季右山王宮を再建す。
貞和3年9月13日安部兼季より社領60石寄付せられる。明治6年8月村社に列す。
秋田県神社庁公式サイト より。
参道入口
一の鳥居
入口左右の狛犬。拡大写真はこちら。
(嘉永6年(1853)建立)
参道
二の鳥居
拝殿
神額
木鼻の狛犬
本殿
境内社
石祠